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それどころじゃない ページ19

Aside



気分が下がったり。


上がる気がしない。


終わりの見えない奈落の底へと突き落とされたような感じ。


は「A、頼みたい事が…あれ?大丈夫?」


完全に落ち込む様子を見せてしまっていた事に気づく。


『あ、はい。何ですか?』


は「メインの編集手伝って欲しいなって…」


『分かりました。』


編集なんて気分の乗らない事、やりたくない!なんて言えないよね。


とぼとぼ下を向きながら2号室へと足を運ぶ。


ふらっとこけそうになると、


だ「うわっ。お前大丈夫?どうかした?」


だいち君が支えてくれた。


あなたのせいです、なんて言えないから、


『大丈夫です。すいません…』


だ「そっか…?」


何も言わずに謝って、その場を後にした。


2号室の編集部屋で、パソコンを開く。


どうかドッキリであってくれ。私と視聴者さんをターゲットにしたドッキリで…。


そんな事を願うたび、目に涙が溜まってしまう。


一文字打つスピードと同じ様に、少しずつ、溜まって。


抑えきれなくなって、一気にそれが溢れ出した。


キーボードに雫が落ちそうになり、慌ててそれを手で拭う。


その仕草で分かったのか、はじめさんが驚いてこっちに来た。


は「え!?A!?」


は「大丈夫!?どうしたの?」


寂しい、その一言で終わらせられるこの気持ちを伝えたくはなかった。


『いえ。あくびをしてしまっただけです。』


は「なら良いけど…いや良くはないか。ちゃんと寝てね?」


『はい…。』


変な嘘をついて誤魔化す。


昔からこうだった。他人に迷惑だけは掛けたくなかったから、その為ならと、嘘をついていた。


これは畑メンバーも例外じゃない。


ただ唯一、これが効かないのはたなっちだけ。


ああ、私何やってんだろ。


さっき溢れ出した分、また目に溜まってしまった。


泣いて慰められるだけの、悲劇のヒロインはもう嫌だ。


どうにか、、誰にもこの姿が見られてない事を願うしかない。


は「ねぇ。やっぱりさっきのってあくびじゃないよね?」


はじめさんの声がした方を向く。


は「目、腫れてる。」


やっぱりボスには敵わないな。


は「大丈夫。」


優しく、頭を撫でられる。


は「泣いたらAが可愛くなくなっちゃう。」


は「折角いい顔してるんだから、大事にしなよ?」


『はじめさんも人の事言えないですよ。』


は「俺はいいの。」


頑張って、と告げられ仕事に戻る。


こんな彼氏が、私も欲しい。

だいち君、ありがとう→←読者様へ 作者なっつん



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設定タグ:はじめしゃちょーの畑 , , YouTuber   
作品ジャンル:ラブコメ
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作者名:So-mei. | 作成日時:2020年5月2日 13時

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