そんなつもりなかったのに雑愛されてる【白鳥沢】

23話 ページ25

大平side


天童「うわー、結構降ってるネー」

練習の合間の休憩時間、外を見ると台風並みの大雨が降っていた。


牛島「……………」

ふいに、若利が何かを探しているのかキョロキョロしているのが目に止まった。

大平「若利どうした？何か探しているのか？」

牛島「この雨で外練習が中止になった。

監督とコーチとAの4人で緊急のミーティングを開くことになったんだが……」

大平「まさか、Aがいないのか？」

牛島「ああ。誰か知らないか？」

五色「あ、Aセンパイなら1時間半くらい前にスーパーに行って来るって言ってました！」

白布「スーパー？」

五色「確かドリンクの粉が切れたって言ってました！」

瀬見「この辺のスーパーつっても、結構遠いよな？」

山形「歩いたら1時間以上かかるぞ。自転車借りても50分くらい……」

白布「おい、ちょっと外に自転車あるか見て来い」

最初に動いたのは賢二郎だった。

入り口から1番近かった工に、Aがロードワークについて行った時に使っていた自転車があるか確かめに行かせた。

五色「は、はいっス！」


天童「斉藤クンに車出してもらったんじゃない？」

大平「コーチはここにいるんだから1人で行ったんだろう」

川西「携帯は繋がらないんですか？」

山形「誰か持ってないか？」

偶然携帯が近くにあった天童がAの携帯に電話をかけた。

天童「……繋がんないヨ」

牛島「持って行っていないようだな」


バンッ

そこに、工が普段ならありえないくらい青ざめた顔をして帰ってきた。

瀬見「どうだった？」

五色「じ、自転車なかったです！」



工の報告で一気にみんなに緊張が走った。

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