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 「お、お前は…誰だ?どこから…」気配を消して近づいていったせいか、その人物はいきなりの登場に困惑している。
 「こっちが聞いてるのに」人物の行動に不満を表したパイモンを見て、彼は「あっ!」と重要なことに気付いたような素振りで───「仙人の使いなのだな!」と不思議な思考回路を巡らせて顔色を明るくした。これにはさすがの旅人も「は?」と小さくこぼす。だがその人物には良くも悪くも聞こえておらず、再び悲願の声が響き始めた。




「慈悲深き仙人の使いよ!どうか助けてほしい!俺ら兄弟は貧困に苦しんでいただけなんだ。だから、琥牢山の山の琥珀に宝があるって話を聞いて魔が差してしまった。琥珀から取り出した宝を使って、家計の足しにしようと…」

「だが、宝を探すため山道を沿って登っていたら、俺の兄弟が琥珀に…喰われてしまったんだ!」




 「今になって考えると、仙人様の敷地に侵入してしまい、それで天罰を受けたのかもしれない」
 …などなど、琥珀に喰われただとか仙人の使いだとかいう意味の分からない文を繰り返しているが、必死に助けを乞うていることだけは何となく伝わる。事情はふわふわとしているものの理解は…できないこともないし、これだけ頼み込まれたら受けるしかない。
 現に「オイラたちは仙人の使いじゃない」とパイモンが否定した所、返事は「いや、いやいや、違いない」と認めたくないとでも聞こえてきそうな声で返ってきたのだ。自分や兄弟のことでいっぱいいっぱいになって、何を言っても意味が無さそうである。

 「わかった、…探してみる」仕方ないと割り切ってか、旅人は呆れた表情で言う。その返しを聞いた彼はおおと感激に声を漏らし、もうこんなことはしないと言って感謝を述べた。


***

 それから私たちは山道の真前まで足を動かして、彼の発言から得られた情報をまとめていた。まず彼の兄弟は琥珀に埋められていること、それはもしかしたら仙人の怒りを買ってしまったことからかもしれないということ、そして…




「確か、アイツは“山道に沿って登った”って言ってたよな?」

「ええ、私たちもその通りに行けば良いと思います。私は下った所を見てきますから、旅人さんとパイモンさんはこの辺りを捜索しておいてもらえればと」





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もゆ(プロフ) - 2024になった今でも、ずっと楽しみにしています。 (1月6日 2時) (レス) id: 72eec337ed (このIDを非表示/違反報告)
gtuysut5843…(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2022年8月30日 0時) (レス) @page45 id: 5bb1efd8a4 (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - 夢さん» コメントありがとうございます。そういって頂けるととても励みになります!一定間隔空けての更新となりますが、素敵な内容をお届けできるよう頑張りますね。 (2022年4月5日 21時) (レス) id: 10e597e23d (このIDを非表示/違反報告)
- 小説めちゃくちゃ面白くて大好きです!続きがとても気になります!更新頑張ってください! (2022年4月4日 18時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
なつおと(プロフ) - ルリさん» コメントありがとうございます。感嘆符の数だけ気持ちが伝わってきていて私も嬉しいです。これからも更新頑張らせて頂きますね! (2022年2月20日 21時) (レス) id: d342b4dd7b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:  | 作成日時:2021年1月25日 21時

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