神の楽園はそこに。 (ページ9)

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部屋ページ9

私ってシュウくんのこと好きなのかな？

さっきもベッドに座っただけでドキドキしちゃったし、赤くなっちゃうし。

さきほど彼に触れられた頬に自分の指を重ねてみる。

どうなんだろ……好き、か。

私はさっきからずっとこんなことを思って悶々としていた。

記憶が飛んでるからシュウくんのことしか考えられないんだよね。

あ、そういえばシュウくんと出会う前の記憶は一切残ってなかった。

とはいえそれについては気になることはいくつかある。

まず、シュウくんと話していた時に私は「男の子と触れ合うことに慣れていないから」ドキドキしてるんだって、思った。

それにこの服。

間違いなく私はどこかの学校の「高校生」である。

肝心なところはまだまだ思い出せないけど、断片的な無意識の認識については残っている。

そうだ、服といえばなんで傷だらけなんだろう？

傷口はもう治りかけてるけど砂とか泥で体中が汚れている。

あーおふろ入りたいなー。

「Aっ！」

「ひっ！？」

扉は勢いよく開け放たれ、その予想外の不意打ちに私はテーブルに頬杖をついたまま１cm浮いた。

「あ、なんだシュウくんか。おかえりー！」

「あ……」

「あ？」

「あはははははっ！」

何を言うかと思えば彼は抱腹絶倒、壁に手をついて苦しそうに笑いこけてしまった。

「ご、ごめんっ。だってAが一瞬浮いてたから……！」

「も、もーっ！見なかったことにしてよー！」

私が膨れていると、シュウくんは笑うのをやめて私の前に立った。

「ごめん。僕、こうやって過ごすの久しぶりだから嬉しいんだ」

シュウくんはそう言って微笑んだ。

「久しぶりなんだ」

「うん。もう三びゃ、三年ぐらいかな？」

「そっか、それからずっと一人で暮らしてるの？」

「一人じゃないよ。エンシャントダークの仲間がいるしね」

「その……エンシャントダークって何？」

「僕の仲間だ」

うむぅ、答えになってるようでなっていないような……。

もっと突っ込んで聞いてもいいものか。

でもきっとシュウくんはそこにあんまり踏み込んで欲しくないからそう言ってるんだ。

なら私もあんまり詮索しないようにしなきゃ。

「そういえば私お風呂に入りたいんだけど、そういうのって、ある？」

「ああ、それなら天然温泉があるよ。行く？」

「行く行く！シャンプーとかコンディショナーとかある？」

「あー、石鹸とシャンプーしかないな」

うん、許容範囲内です！