神の楽園はそこに。 (ページ7)

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星空の下ページ7

「わぁー！星がいっぱいだ……！」

「ここの島は空気を汚染するものを出していないから。冬はもっと綺麗に見えるんだ」

胸の高さまである囲いに背中を預けて、彼はそう言った。

「そっかあ。けど今の星も綺麗だよ！冬がもっと綺麗だなんて、想像できないなぁ……」

シュウくんの傍に寄って囲いに肘を乗せる。

「わあ、見て見て、シュウくん！海に星が反射してる！」

穏やかな海面に砂粒のように散りばめられた夜空のダイヤモンドが光る。

「ほんと、きれい……」

こんな奇跡みたいな巡り合わせが本当に感動的で、心の中に一生留めておこうと思った。

「A」

「ん？」

目を閉じて思いにふけっていたところを不意に呼び覚ませられる。

スル、頬をシュウくんの指がなぞった。

ドキンと胸が高鳴る。

見つめ合う私たちはロマンス映画の一コマのようで、もちろん主役は私たち。

このあとには思いの丈を告白するクライマックスが待っているのだ。

「A、僕は……」

ええっ、なっ、もしかして！

そんな、心の準備もできてないのに……！

こんな最高のロケーションで告白なんてされたらOKしか言えないよー、どうし――

『エンシャントダークの諸君、収集命令だ。今すぐにスタジアムに集まれ。繰り返す。エンシャントダークの……』

予期せぬ出来事に大きく肩が跳ねた。

な、何事！？

男の声はこの島の広い森全体にこだましていた。

「……ごめん。すぐに戻ってくるから、中で待ってて」

「えっ、どこ行くの？あのアナウンスは？」

「戻ったらちゃんと説明する。だから早く中へ！」

「シュウくん！」

半ば強引に階段を下ろされ、木の扉を閉められた。

「ごめん。でも絶対に外に出ないで」

扉ごしにシュウくんの声が聞こえた。

「……シュウくん」

いつのまにか彼の気配は消えていた。

シュウくんはエンシャント……なんとかなの？

「あ、エンシャントダークだっけ」

あーあ、どこに行っちゃったんだろ……。

深いため息をついてベッドに座った。

あれ。

そういえばここってシュウくんの部屋なんだよね？

じゃあこのベッドって……。

「やば……」

染まる頬を意識しながら椅子へ腰を移した。