神の楽園はそこに。 (ページ4)

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滝ページ4

あれからどのくらい経っただろうか。

私はシュウくんに抱きしめられながら泣き続けた。

もう大丈夫だよ、としゃくりあげつつもそう伝えると、彼は申し訳なさそうに顔を伏せた。

「ごめん、僕が無神経なばっかりに」

「違うよ、私が勝手に泣いちゃっただけだから！」

慌てて彼の瞳を覗き込んだ。

すると、シュウくんは何か思いついたのかスッと立ち上がると私を見下ろした。

「そうだ、いい所があるんだ。一緒に行こう！」

「えっ？」

「立てる？まだ辛いよね。よし、……行くよ！」

「ええっ！？きゃあっ！！」

シュウくんは有無を言わさず私を横抱きにし、パステルグリーンの木々の中を駆けていった。

思わず手持ち無沙汰になってしまった両手をシュウくんの首に回そうとしてしまう。

どうすればいいか分からず、とりあえず胸の前に落ち着いた。

こんなの、反則だよ……！

「そろそろかな」

シュウくんの視線の先を見てみると森が途切れているのが分かった。

ある一線を超えたところで日光が惜しみなく注がれているのだ。

「この先だ。一緒に行こう」

シュウくんはふわりと笑って私の右手をとった。

「何があるの？」

手を引かれながら言うと、彼は考えるように首を傾げた。

「僕のお気に入りの場所、かな」

「お気に入りの場所？」

「うん。そこにいると気持ちが落ち着くんだ。きっと君も気に入るよ」

「ほんと？楽しみ！」

でも、私なんかがシュウくんの大切な場所なんかに行ってもいいんだろうか。

なんかプライバシーとか侵害しちゃう気がする。

森から抜けた瞬間、ひときわ強い風が私の髪を揺らした。

心地好い川のせせらぎが聞こえてくる。

地面は岩肌となり、目の前には澄んだ川が流れている。

その川の向かう先は崖になっており、遠くに聞こえる轟く音が滝になっていることを示している。

さらに視野を広げると大きな海が広がっていた。

「……どう？」

「きれい、だね……！」

私は断崖の向こうに広がっている海に釘付けになっていた。

「でしょ？おいで」

シュウくんは崖に足を投げ出して座った。

あ、危なくないかな？

と思いつつ、私もそろりとシュウくんの隣に座った。

わわわわわ……！

こ、怖い！！

眼下には滝つぼが真っ白な飛沫を上げながら重たい音を響かせている。

「ふふふっ、怖い？」

「う、うん。ちょっとだけ……」

「大丈夫」