まふくんって声高いよね。【歌い手】

20.寝起きの悪さ ページ30

〜Aside〜



熱を帯びたフライパンに卵を割り入れると、卵の白身が一気に白くなる。



ちらっと、隣を見ると何やら野菜を切っている。



何作るんだろ…？



『しーくん、何作ってるの？』



「ん？付け合せとして、アボカドのサラダ作ろうとしてる〜」



あ、アボカド…！？女子だ…！！なんて考えながら、おお〜！美味しそ〜と答えた。



流石に、私は朝からでそんなオシャレなサラダを作らない…



しーくんは服とか料理とかがお洒落で、女子じゃないのにすごく女子力が高い。



見習わなきゃなぁ…とか思いながらも、結局はいつも通りで過ごしてしまうからいけないのだろう。



そろそろかな、目玉焼き。



少し火を通した卵に少量の水をパッと入れて、蓋をする。



蒸し焼きにすることで、見た目が綺麗で焦げない目玉焼きが出来るのだ。



後は、少し火を弱めてじっくりと焼く。



『よし、これでいいかな。次は何したらいい〜？』



目玉焼きを乗せるお皿を探しながら、しーくんに声をかける。



「んー…後は俺が作るから目玉焼き出来たら皆を起こしてきてくれるー？」



『オッケー。それじゃ、後お願い〜』



火を止めて、それぞれのお皿に盛り付ける。



あ、フライパンとか洗わなくても大丈夫かな？



そう聞こうと思ったら、しーくんが既にフライパンを洗っていたのでお任せすることにした。



さーて、誰から起こそう……。



リビングでは、まだみんな気持ちよさそうに寝ている。



というか、起きる気配がしないんだけど……



とりあえず、寝起きが良さげな渉さんとその隣の棗ちゃんを起こそう。



『渉さん〜、棗ちゃん〜、起きてくださーい。』



2人の体を揺さぶって、起こす。



「んん…眠い…。」


先に反応したのは、棗ちゃんだ。



『ほーら、棗ちゃん！おーきーてー！！』



「はっ！！myAngelが呼んでる！！？」



棗ちゃんはガバッと飛び上がるように起きた。



いや、呼んだけどさ…。ちょーっと怖いかなぁ…。



苦笑しながら、おはよう。と返すととびっきりの笑顔でおはよー！と返してくれた。



さて、次は…



『渉さーん。起きてくださーい。朝ですよ〜。おーい』



「あ゛あ゛？」



『ひいっ！！』



ギロ、と渉さんが睨んできた。めっちゃ怖い…



「あっ！忘れとった！浦田くんは寝起き悪いから無理に起こしたらあかん…って、もう、手遅れやな……。」



遠くでしーくんがそう言ってるけれど、耳に入らなかった。

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