18.その先の答え ページ28
〜Aside〜
…こんな暗い話をしたせいで空気が重い…。
『…っごめんね!こんな明るい場で暗い話しちゃ…』
「…そんなことないですっ!」
まふくんはいきなり声を少し強めて、私の言葉を遮った。
『ま、まふくん…?』
「…あっ、えっと…。み、美咲ちゃんはきっと、Aさんがそばに居るだけですっごく嬉しいと思います。」
そう、なのかな…?
「…何気ない会話でも、美咲ちゃんにとってそれだけでもとっても嬉しいんです。それに…」
『それに…?』
顔を上げて、口ごもっているまふくんを見る。
「…美咲ちゃん、Aさんのご飯食べて、楽しそうって言うか…嬉しそうに笑ってました!」
『…えっ。』
私は思わず、耳を疑った。
あの、表情を顔に出さない美咲が…嬉しそうに笑ってた…?
『本当に…??』
「はいっ!!だって、Aさんのご飯とっても美味しかったですもん!」
そう言って、まふくんはキラキラとした笑顔を見せた。
その笑顔に、私の心がじんわりと暖かくなっていく。
…ああ、そっか。
私はこんな笑顔を見たくて、料理の道に進んだんだけっけ。
《いいかい?Aちゃん。》
《料理は人を笑顔にさせる魔法じゃよ》
昔、祖母がふと言ってた言葉を思い出した。
だから、私は………。
何か、大切なことを忘れていた気がしていた。
それを今、ようやく思い出すことが出来た。
『…ありがとう、まふくん。』
目からこぼれ落ちる涙を払い、穏やかな気持ちで笑った。
また、私の進むべき道に光が差した。
まふくんを見ると、顔を真っ赤にしながらも微笑んでいた。
『…まふくん?顔、赤いけど…大丈夫??』
「うぇ!??あ、はい!…あっ、あの!」
変な声を出しながら、まふくんが声をかけてきた。
『何?まふくん。』
「あの、ですね…。Aさんならきっと、もっと沢山の人をAさんの料理で笑顔に出来ますよ!」
『!!…うん。きっと、そうだ、ね…!』
ぱっと顔を上げると、そこにはまふくんの笑顔が。
それを見て、私の心がトクンッ、と脈を打った。
顔が段々と暑くなる感覚がする。
…あれ?なんだろう…。まふくんを見てると、なんだか胸が熱くなる…。
…変なの、私。
この気持ちに、私はお酒のせいにして嘘をついた。
.
まふくんのことを好きになってしまったことに______
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柊花-トウカ-(プロフ) - ティラミス信者さん» ありがとー!改行は今検討中なの(苦笑)更新頑張るねー! (2018年11月16日 23時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
ティラミス信者(プロフ) - 続きが気になる!!読みやすいし文の構成もいい感じ!でも改行が多すぎると内容がスカスカに見えちゃうかもだからそこ気を付けて!読ませてくれてありがとー!!応援してるよ!! (2018年10月20日 20時) (レス) id: d109ac88fc (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - ひかりさん» ありがとう、読んでくれてほんとありがとう。(笑) (2018年8月2日 18時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 好きでした。ありがとう。あ、私、青い鳥の星月ひかり。ね!好きでした←分かった (2018年8月2日 18時) (レス) id: 1a6872b126 (このIDを非表示/違反報告)
Ayame(プロフ) - 怜衣さん» 当たりです!後に人物紹介を上げようとしてたのを忘れてました…← 棗ちゃんはなんか、酒飲みっぽかったので出してみました(笑) (2018年1月12日 0時) (レス) id: 1c746f653b (このIDを非表示/違反報告)
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