・ ページ24
土管ワープからお城の中を通ってその先にはあのゲームの中そのままの世界が広がっていた。
一か八かの賭けに勝った。マリオの世界に来れた…!
ゲーマーとしては1度は来てみたいこの場所。昔からやり続けた大好きなゲームの世界が目の前にあって、しかもそこに立てている。
『うわぁぁ……』
「なつ?ちょ待ってどこ行くん」
『え?わ、そっちか』
「特にここ人多いから絶対手離さんといて」
『ごめんなさい……!』
他のエリアと比にならない人の波では簡単に迷子なってしまいそうで自然と繋がる手に力が入る。ここではぐれたらスマホがあったとしてもすぐには見つけられないだろう。
『レストラン人いっぱいだぁ……』
「え?」
『え?あ、、キノコ苦手ですか?』
「いやそういうことやなくて…胃袋どうなってんの?!」
『だって食べることしかやることなくて…』
「ちょっと待って今腹何分目?」
『えーっと……8か9?』
「限界きてるやん」
『さすがに食べ過ぎかなぁ…』
ここでしか食べられない限定フードと聞くと食べたくなってしまうから仕方ない。だって次来た時になかったら今食べなかったことを後悔しそうで諦めがつかない。
もう手遅れかもしれないけれどこれ以上食べたら太るというのも頭では理解しているから尚更苦しい。
「また来た時に食お」
『うぅ〜…そうですよね、またこれば食べれる……』
「次来た時のために楽しみ残しとこ、ね?」
『そうします…!』
「偉い」
食後の運動も兼ねてマリオのエリアをぐるぐる歩き回った。もちろんあのバンドも買って気分はさながらマリオのつもりでコインやキー集めてミニゲームに参加したのが良い思い出。途中でキノピオとお話も出来たりヨッシーに乗ってお散歩するのもとても楽しかった。
エリアを出た時にはオレンジ色だった空も濃藍色に染っている。
お土産をたくさん買って、まだ早いかもしれないけれど今日はパークから離脱することにした。疲れた身体と重い足を何とか動かしてホテルまで歩く。朝は短く感じた距離も倍以上に思える。
『あ”ぁ…待って……』
「買いすぎやって」
『重いぃ……』
自業自得。この言葉が今の私には1番お似合い。
調子に乗って次から次へと気になるものをカゴに入れレジに持っていったところまでは良かった。その後のことを考えてなかった私に非がある。
530人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えいたん(プロフ) - いつも楽しく読んでます!nethさんとの絡み最高です!ニヤニヤが止まりません!!!これからも応援してます! (8月8日 2時) (レス) @page16 id: a2621a0cb1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ゆず | 作成日時:2023年5月16日 1時