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「お皿足りなくない？」
「装飾の星もうないよ！」
「どうするの！？」
文化祭が明日に迫っているにもかかわらず、私たちのクラスは問題が山積みで、どこかピリついた雰囲気だった。
「今考えとる。もう少し待っとって」
クラス代表の武藤くんも少しイラついている。
「ねぇ、服まだ？」
「もうすぐ出来ます」
私に頼まれ服を作ってくれている佳乃が申し訳なさそうに答えた。
「遅くね？普通は全日準備の前の日に完成させとくって先輩が言ってたんだけど」
「…ごめんなさい」
そのやりとりを聞いていた武藤くんはとうとうその男子に突っかかった。
「あんたらが手伝わへんからやろ！？せやからこうやって菅口が…」
「武藤くん、やめて。私の作業が遅いのは事実だから」
「せやかて…」
武藤くんが続けようとした、ちょうどそのときだった。
私が教室に戻ったのは。
「A！代表会お疲れ」
「佳乃もお疲れ様。もうひと頑張りだね」
そこまで話して、私は教室のピリついた雰囲気を察した。
「おい上野！星が足んねぇぞ！？」
「えっ、本当？ごめん…」
「お皿もないんだけど」
「服はまだ完成してねぇし」
「どういうことだよ！」
「うちのクラス代表全然ダメじゃん」
その言葉に武藤くんは怒って言い返した。
「あんたらがやらへんかったから俺らが代表なったんに、どうして責めるん！？おかしいんとちゃう！？あんたらが…」
「ごめんなさい！」
武藤くんには悪かったけど、このままだとバラバラになってしまう。
そう思い、言葉を遮って私は話を始めた。
「確かに私は頼りないし要領も悪い。だから、みんなに助けてほしい。佳乃みたいに服をデザインから一緒に考えてくれたり、分担して星を貼ったり、そうやって、私たちを手伝ってほしい。……とでも言うと思った？」
「…え？」
「は？」
ポカンとしているクラスメイト一人一人の目を見ながら私は続けた。
「この文化祭は代表だけのものじゃない、クラス全員のものなんだよ。だから、"手伝う"んじゃなくて、"一緒に作り"たい！全員で頑張りたいし、全員で最高のカフェにしたい！みんなは違うの？」
私の問いかけに1人の女子が伏し目がちに答えてくれた。
「そりゃ、最高のカフェにしたいよ。問題も山積みだし…。もう無理だよ…！」
私はその子に、クラス全員に向けて言った。
「間に合うよ」
「えっ…？」
「まだ間に合うよ」
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作者名：なつらい | 作成日時：2018年8月5日 17時
