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櫻「第3位！？ すごいじゃん！」
文化祭当日はパニックになる可能性を考慮して、翔自身は明林高校に来ないことになっていた。
けれども翔が納得いかないだろうことを見越していた私はスケジュールを空けて、ちょうど閉祭式終了後のHRに間に合うようにしておいた。
「まさか賞が取れるとは思いませんでした」
二階堂くんを筆頭にそう言っている3年2組の生徒に翔は話した。
櫻「3年2組全員が頑張ったからだね。おめでとう！」
クラスに拍手が沸き起こった。
担任の先生が一言話した後、二階堂くんが前に出てきた。
「実は、櫻井さんに色紙をみんなで作ったんです。どうぞ」
そう言って、二つ折りの色紙を翔に渡した。
櫻「え？マジ？ めっちゃ嬉しい…笑」
「担任の僕が声をかける前に作り始めてたみたいで…」
櫻「ありがとうございます…。大切にします」
クラスには再び拍手が起こった。
翔は明林高校3年2組に、別れの言葉を贈った。
櫻「最後の明林祭、きっと素晴らしい思い出の一つになったと思います。僕自身、この取材はすごく心に残るものになると思っています。これからも、いや、これからのほうが大変なことがたくさんあると思う。でもみんななら乗り越えられる。この文化祭みたいに。皆さんのこれからの活躍を期待しています。1週間ありがとうございました！」
マンションの駐車場に車を止め、後部座席で寝ている翔を起こす。
櫻「ん…」
「おはよう。着いたよ」
櫻「うん。ありがとう」
「1週間のハードスケジュールお疲れ様」
櫻「明日はお互い久々に朝寝坊できるな」
「そうだね」
櫻「あ、そうだ。これ、色紙に挟まってた」
そう言って翔は手紙を渡してきた。
私宛ての手紙が、どうして色紙に…？
「あ、ありがとう…」
櫻「じゃ、また明日。おやすみ」
「おやすみなさい」
翔が車から降り、エレベーターホールに行ったのを確認し、私はようやく慣れてきた道を自分の家に向かって走った。
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作者名：なつらい | 作成日時：2018年8月5日 17時
