百八片 ページ17
「発信機を取り付けられてんだな」
「まずいですよ！信号が弱まってます！」
「旋回するぞ」
「定点カメラよりフレームアウト！モニターをレーダーに切り替えます！」
冷静なリボーンと焦り気味のジャンニーニさん。
まさか本当にヒバード、ヒバリさんの鳥が現れるなんて。
でもSOSっていうことは喜んでる場合じゃないかも。
外にはミルフィオーレのブラックスペルがうじゃうじゃいるってリボーンも言ってたし、信号が弱まってるっていうのも...なんでなのかは全然わかんないけど、よくない状況なのは分かる。
ドタドタと廊下を走る音。ラルと獄寺くんと山本が勢いよく入ってきた。
「何スか今の音は！？」
「何があった！」
「みんな！大変だよ！ヒバリさんの鳥からSOSが！」
みんな壁にかけられたモニターを一心に見つめる。
カメラからレーダーに切り替わった画面は緑の線と点が不安定に点滅してる。
「場所は」
「現在7丁目を時速37kmで移動中！高度下がります！」
7丁目、山の方だ。このアジトからは結構距離がある。
「き、消えました！」
フッと表示が消える。ヒバリさんの唯一の手掛かりなのに...。
「消滅した場所には何があるんだ？」
「待ってください、今...出ました！神社です！」
「並盛神社？ヒバリの奴あんなところで何してんだ？」
やっぱり山の方だ。こんなに外にミルフィオーレが多い中で、わざわざ神社に行く用事があるのかな？
「信号が弱まってましたし...単に発信機のバッテリーが切れただけかもしれません」
「そんなっ、バッテリー切れ？」
「もしくは敵に撃ち落されたかもな」
リボーンの言葉にハッとさせられる。
敵...ミルフィオーレもヒバリさんの手がかりだってわかってたのかもしれない。
だったらもう敵とヒバリさんが戦ってて、そのSOSなの...？
「敵の罠だという線もある」
ラルがもっとぞっとするようなことを言う。
「罠ー！？ちょ、じゃあ一体どうすればいいの！？」
「どっちみちヒバリの唯一の手がかりだ。指をくわえてるわけにはいかねーだろうな」
リボーンの言う通りだ。ヒバリさんと鈴さんが助けを求めてる可能性があるなら行かないと。
「ですが見てください。あの点が現在確認できるリングです。つまり少なくとも地上にはこれだけの敵がいるわけです」
「あんなに！？」
「その中でひときわ強いリングが1つ。恐らく隊長クラス...精製度はA以上...」
ジャンニーニさんの呟きに、ラルが確信をもって言う。
「γだな」
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作者名：雪兎(月兎) | 作成日時：2023年9月1日 21時
