百七片 ページ16
ツナ視点
「ふぁ〜あ...」
まだ眠いや。
来たばっかりの頃と比べたら少しは寝れるようになったけど、寝つきは悪い。
目を瞑ると母さんの顔が浮かんでくる。
無事なんだろうか、今どこにいるんだろうかって、ただ悩んだって何も進まないのはもうわかってる。
今やれることをちゃんとやるんだって決めたけど...こうやってうじうじ考えちゃうのもオレのダメなところだよな。
...朝っぱらから考え込んだって駄目だ！
頬をぱちんと軽く叩く。
今日から本格的に修行が始まると思う。
何をやるのかとかは教えてくれなかったけど、たぶん厳しいんだよな。
あの人こえーもんな...いい人なんだろうけど。
今のオレの寝ぼけた顔を見せたら、腑抜けるな！とか言われそう。
顔を洗うためにも、洗面所を探す。確かトイレの近くにあったと思うんだけど...。
「えーと...トイレどこだっけ...」
このアジトが広すぎてまだどこに何があるかわからない。学校よりも広いよな。
これをオレが作るよう指示したっていうのも、いまだに信じられないくらい。
...ってかそうか。作った本人に聞けばいいんだ。
ジャンニーニさん、制御室だったか操作室だったか忘れたけど、ちょうどいま通り過ぎた部屋によくいるって言ってた。
「おはよーございます10代目」
「ちゃおっス」
「ジャンニーニさん。リボーンも」
やっぱりいた。
ジャンニーニさんはなんか険しい顔をしてる。
逆にリボーンはいつにも増してニコニコだ。
「朝一番のグッドニュースだぞ」
「え！？何？」
グッドニュース？守護者が見つかったとか！？
リボーンはニコニコしたままモニターに視線を向ける。
「外にミルフィオーレのブラックスペルがウジャウジャいる。こりゃ外に出たら戦闘は免れねーな」
「どこがいいニュースだよ！」
バッドニュースだよ！なんでそんな多いの！？
余程理由がないと外に出る気なんかないから、大人しくしてれば大丈夫だけど...。
そう思って少し安心した途端、けたたましくアラームが鳴る。
S7S S7S S7S S7S
「何これ！？」
滅茶苦茶緊急事態って感じだよ！？
「救難信号をキャッチ！味方からのSOSです！」
「味方って！？」
「ボンゴレ内で取り決めた秘密信号なんです！...信号の発信源を捕捉しました！モニターに映しますよ！」
ジャンニーニさんが手早くパソコンを操作する。
商店街を映してたカメラから場面が切り替わって、そこにいたのは。
「あれは！ヒバリさんの！ヒ...ヒヒ...ヒ...ヒバードだ！」
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作者名：雪兎(月兎) | 作成日時：2023年9月1日 21時
