百四片 ページ13
「仲いいのかな？僕はいつも面白がられてるだけに感じるよ」
でも流石の白蘭サンでも僕が秘密裏に進めている事にはまだ気づいてないはずだ。
僕は一回もミスをしていない。ただ白蘭サンに忠実なローザ隊隊長。
僕の行動に矛盾はない。白蘭サンのために10年バズーカを研究して、ボンゴレリングをこの時代に持ってくるために日本に来た。
例え監視の最中、一部の情報が隠されていることには気づいたとしても、内容までは分かるわけがない。
なにせ僕たちの作戦会議は彼女の力のおかげで絶対に傍受されないんだから。
...ボンゴレと、沢田綱吉・雲雀恭弥との作戦は。
作戦通り、今のところ順調だ。
僕が研究施設と称したあの装置に山本武やランボ、笹川涼子達が入ったのは確認してる。
分子の状態での保管も完璧な状態で遅滞や欠損はない。
第3アフェンドラ隊の件も、兄弟げんかとか言ってるけど実態は全く違うだろう。
タイミング的にも合致する。山本武達と交戦して、ボンゴレ側が勝利。
野猿と太猿はボンゴレの雨の守護者をどうにか自分の手柄にするため黙ってる。
問題は、その秘匿に第3アフェンドラ隊の隊長、γが加担しているのか掴めないことにある。
いずれ訪れる白蘭サンの思想、トゥリニセッテポリシー。
トゥリニセッテを手中に収めることを目論む白蘭さんを止められるのは、もうこの世界のこの時代しかない。
彼らと接触を図ったとき...今から4年前の時点で、彼らは突然訪れた僕を拒絶することなくただ静かに僕の話を聞いてくれた。
今から考えるとそれは彼の、沢田綱吉の超直感が何かを感じ取っていたからなんだろう。
このまま白蘭サンを好きにさせておくのは、間違ってるって。
「...クスクス」
背後から聞こえる、彼女たちの笑い声。
「...なにがおかしいの？君たち」
まさか、何か変な動きをしちゃってた？
いや十分気を付けてる。迂闊なことはしないし、この演技も板についたと思ってる。
だけどやっぱり、僕のお腹はすぐに過敏に反応する。
そのせいで少し眉間にしわを寄せちゃったから不審がられたのかもしれない。
「いえ...入江様、肩に力が入っておられるようです」
「心中お察しいたします」
彼女達はただ、僕が苦手なブラックスペルと接触するのに緊張してるだけ、だと思ってくれてるみたいだ。
普段から本当に嫌な体質だけど、こういう時は助けられた気分になる。
ストレスの原因は自分自身にしかわからないから。
「...損な役回りだよ。本当にね」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 42人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雪兎(月兎) | 作成日時：2023年9月1日 21時
