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そう思っていたのに…
.
「今日から夏休みのが終わるまで、
この子を預かることになったから。」
侑李「は…?」
.
あれから数日後。
なぜか、母さんがあの子を連れてきた。
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「水城Aちゃんっていうの。」
侑李「水城、A……」
.
「そう。侑李の従兄弟で同級生。
小さい頃は何度か遊んだことがあるんだけど……
覚えてない?」
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侑李「覚えてない。」
「えぇ。親戚なのに。」
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そんなことを言われても、
覚えてないものは、覚えてない。
そもそも、なんでこの子が
ここに暮らすことになったのか……
もう関わりたくなかったし、
会いたくもなかったのに。
.
僕は小さく息を吐いて、その子を観察する。
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見た目はどこにでもいそうな、
普通に可愛い女の子。
今日は泣いていないけど、
虚ろな表情。
この子……
本当になんなの?
.
「Aちゃん、今日はもう疲れたでしょ。
家に入って、ゆっくり休んで。」
.
ぽんっとその子の肩を叩いて
優しく微笑む母さん。
その子は小さく頭を下げて、
ゆっくりと家の中へと入っていき…
.
「……」
.
すれ違う時ですら、
僕と目を合わせてくれない。
無愛想過ぎて、
さすがに気分が悪い……
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「侑李。」
.
まるで僕の心を見透かしてるかのように、
きつい口調で僕の名前を呼ぶ母さん。
なに?と振り向けば、
滅多に見せない真剣な表情…
.
「色々思うところはあると思うけど……
あの子…Aちゃんを嫌わないで。」
侑李「……なんで?」
「なんでって…」
.
言いづらそうに顔を歪ます母さん。
そして……
悩んだ末、真っ直ぐ僕の目を見て…言った。
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"ちょっと色々と事情があって…"
"Aちゃん…今、声が出ないの"
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ただのおたく(プロフ) - めちゃくちゃ感動して、最後の方号泣でした...。知念さんの愛し方というか、好きの伝え方とか、不器用で...でも誰にも負けないぐらいの優しさが込められてて切なすぎました。こんな素敵な作品に出会えて良かったです。私にとってとても大切な作品になりました。 (5月22日 23時) (レス) @page50 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - kaka4570aさん» このお話の知念さん、本当に一途でしたもんね。まりもも書いていて切ないと思ってしまいました 笑 そう言ってくださり、とても嬉しいです。新婚生活、想像しただけでにやけてしまいます 笑 応援ありがとうございます(*^^*) (2019年8月12日 18時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
kaka4570a(プロフ) - 知念さんの一途さに知らぬ間に久し振りに占ツクを読んでて泣きました、思ってる事を中々言えない知念さんへ切なさ感じたりドレス姿を一番に見せた主人公ちゃんにも感動しました、新婚生活など見てみたいなぁなんて思ってしまいました(汗)これからも応援してます! (2019年8月8日 1時) (レス) id: 372fe47b6f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 知念菜々さん» ありがとうございます!このお話の知念くん、めっちゃ一途でしたもんね。知念くんver.ですか……今のところ予定はありませんが、検討しておきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 侑涼‐あゆり-さん» ありがとうございます! 前作も今回も読んでくださりありがとうございます(*^▽^*)結婚式のシーンはまりもの理想なので、喜んでもらえて嬉しいです 笑 学生生活頑張ってきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2019年6月18日 21時