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***
侑李「Aを連れてきてくれてありがと。」
大貴「いや、別に。」
.
自然に出てしまうのは低い声。
大貴の顔が強張っているのが分かる。
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僕が頼んだことなのに、
なんでこんな言葉が出るのか。
それに、体も勝手に動いて
勢いよく、Aの腕を引っ張ってみせた。
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侑李「まさか大貴と一緒にいると思わなかったよ。
会う約束でもしてたの?」
大貴「たまたま会っただけだよ。
俺だって、Aと会うと思わなかったし。」
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それでも、大貴は話を合わせてくれてる。
対して僕は…情けない。
器も小さいし、
馬鹿みたいだ。
.
ふいに、袖が掴まれる。
見下ろせば、今にも泣きそうなAが目に映った。
.
侑李「…っ、とにかく本当に助かった。
A、母さん呼んでたから先に上がってて。」
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…本当に僕は馬鹿だった。
好きな子を泣かせようとしていた。
あの時は、ちゃんと泣いてほしいと思ったけど、
今は全然違うというのに…
.
僕の言葉に、Aは大貴に手を振って
家の中へ入っていった。
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両想いの二人。
大貴が現れたから、僕の役目は終わろうとしている。
だけど…
一つだけ確かめたいことがあった。
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侑李「大貴ってさ、どう見てるの?Aのこと。」
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これを確かめたら最後。
.
侑李「Aは大貴にとって、妹?
それとも、トクベツ?」
.
Aの隣にいるのは、僕じゃなくて
大貴になる。
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ドクドクと心臓の音がうるさい。
鳴り止まない。
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僕は大貴に悟られないように
小さく息を吐いて…
大貴はそんな僕を見て
フッと笑った。
.
大貴「……さあ。どっちだと思う?」
***
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ただのおたく(プロフ) - めちゃくちゃ感動して、最後の方号泣でした...。知念さんの愛し方というか、好きの伝え方とか、不器用で...でも誰にも負けないぐらいの優しさが込められてて切なすぎました。こんな素敵な作品に出会えて良かったです。私にとってとても大切な作品になりました。 (5月22日 23時) (レス) @page50 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - kaka4570aさん» このお話の知念さん、本当に一途でしたもんね。まりもも書いていて切ないと思ってしまいました 笑 そう言ってくださり、とても嬉しいです。新婚生活、想像しただけでにやけてしまいます 笑 応援ありがとうございます(*^^*) (2019年8月12日 18時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
kaka4570a(プロフ) - 知念さんの一途さに知らぬ間に久し振りに占ツクを読んでて泣きました、思ってる事を中々言えない知念さんへ切なさ感じたりドレス姿を一番に見せた主人公ちゃんにも感動しました、新婚生活など見てみたいなぁなんて思ってしまいました(汗)これからも応援してます! (2019年8月8日 1時) (レス) id: 372fe47b6f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 知念菜々さん» ありがとうございます!このお話の知念くん、めっちゃ一途でしたもんね。知念くんver.ですか……今のところ予定はありませんが、検討しておきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 侑涼‐あゆり-さん» ありがとうございます! 前作も今回も読んでくださりありがとうございます(*^▽^*)結婚式のシーンはまりもの理想なので、喜んでもらえて嬉しいです 笑 学生生活頑張ってきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2019年6月18日 21時