§ ページ28
***
慧「知念さん…惚れてもいいですか?」
侑李「ヤだよ。てか口元にやけすぎ。」
.
式が始まるまであと30分となった頃。
僕たちは、ロビーから控え室に移動した。
.
慧「いや、これがニヤけずにはいられると思います?」
侑李「…ニヤけないで下さい。」
.
あーあ。
やっぱり伊野ちゃんなんかに話すんじゃなかった。
さっきから口に手を当ててクスクスしてるもん。
絶対面白がってるよもう。
.
侑李「もー、この話終わってもいい?
そろそろ式だって始まるし、招待客だって……」
「あー!いた!」
.
僕の声に重なって飛んできた女の人の声。
何事かと振り返れば、Aの高校時代の友だちの
山下さんがいた。
.
夏菜「久しぶり知念!元気だった?」
侑李「まぁ……」
.
夏菜「いや、全然元気ないじゃん。」
侑李「アナタは相変わらずだね…」
慧「夏菜ちゃーん。俺はー?」
夏菜「伊野尾先輩はよく会ってたじゃないですか。」
.
侑李「へ……会ってたの?」
夏菜「あー…ちょっと色々あって。」
侑李「ふぅん…」
.
珍しい…
伊野ちゃん、あんまり後輩の子とか会わないのに。
僕でも結婚式ということで
つい最新連絡取ったばっかなのに。
.
ショートヘアの髪型。
山下さんは少し跳ねた毛先を耳にかける。
.
山下夏菜……
彼女はAと全く正反対の女の子だった。
クールというか、サバサバ系女子。
そんな子が、まさかAと
友だちになるなんて、当時は思わなかった。
.
夏菜「Aったら本当に有岡先輩と結婚するとはねぇ。」
侑李「そうだね。」
夏菜「私、Aの結婚相手は知念だと思ってた。」
侑李「あはは…それはないよ。」
夏菜「そうなの?」
侑李「うん。ないね。」
.
俯き、小さく笑う。
本当にない…
あるわけがない。
だって、Aの中には
いつも大貴がいたんだから。
.
あの頃、僕は確かにAを守ると誓った。
異性として、いつの間にか好きになっていた。
.
だけど、それは期限付きの恋だったんだ。
たった4年……
Aと大貴が再会するまで許された恋だった。
***
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ただのおたく(プロフ) - めちゃくちゃ感動して、最後の方号泣でした...。知念さんの愛し方というか、好きの伝え方とか、不器用で...でも誰にも負けないぐらいの優しさが込められてて切なすぎました。こんな素敵な作品に出会えて良かったです。私にとってとても大切な作品になりました。 (5月22日 23時) (
レス) @page50 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - kaka4570aさん» このお話の知念さん、本当に一途でしたもんね。まりもも書いていて切ないと思ってしまいました 笑 そう言ってくださり、とても嬉しいです。新婚生活、想像しただけでにやけてしまいます 笑 応援ありがとうございます(*^^*) (2019年8月12日 18時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
kaka4570a(プロフ) - 知念さんの一途さに知らぬ間に久し振りに占ツクを読んでて泣きました、思ってる事を中々言えない知念さんへ切なさ感じたりドレス姿を一番に見せた主人公ちゃんにも感動しました、新婚生活など見てみたいなぁなんて思ってしまいました（汗）これからも応援してます！ (2019年8月8日 1時) (レス) id: 372fe47b6f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 知念菜々さん» ありがとうございます!このお話の知念くん、めっちゃ一途でしたもんね。知念くんver.ですか……今のところ予定はありませんが、検討しておきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 侑涼‐あゆり-さん» ありがとうございます! 前作も今回も読んでくださりありがとうございます(*^▽^*)結婚式のシーンはまりもの理想なので、喜んでもらえて嬉しいです 笑 学生生活頑張ってきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
| 作成日時：2019年6月18日 21時
