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***
その日は突然だった。
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『散歩に行きたい』
侑李「えっ…」
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Aがうちに住むようになってから
約1ヶ月が経った頃。
クーラーの効いた部屋でゴロゴロしていると、
Aがボードを見せてきた。
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侑李「やめときなよ、暑いし。」
『今日はそんなに暑くないよ』
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侑李「はぁ?普通に暑いでしょ。」
『そんなことない』
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意地を張るように、
トントンとボードを叩くA。
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頑固者だ…
僕は眉を潜めて、Aにバレぬよう
ため息をつく。
.
侑李「第一、Aって方向音痴のくせに一人で歩けるの?
近所のスーパーから帰るときさえ迷ったくせに。」
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あのときは本当に
大変だったんだから。
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チラリとAを見れば、言い返す言葉が思いつかないのか、
ペンとボードを持つ手が垂れ下がっていた。
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いつもは部屋に籠ってるくせに、
どうして今日はそんなに行きたいのか。
…仕方ない。
.
侑李「じゃあ僕も一緒に行くから。」
.
それならいいでしょ?
それに、Aも4年前と比べて落ち着いてきたし、
そろそろ、他人と触れ合うことも大事だと思うし。
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うんうん、と勢いよく首を縦に振るA。
途中、思い返したのか、勢い良く顔を上げたことは
見なかったことにして。
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侑李「僕もちょうど用事あったし、
A、迷子になりやすいから。」
.
用事はたった今、
出来たところだけど…
.
玄関でAを待ってる間、アイツに連絡すると、
すぐOKの返事が来た。
アイツなら、Aのこと前から少し話していたし、
きっと大丈夫。
.
そう思っていた。
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ただのおたく(プロフ) - めちゃくちゃ感動して、最後の方号泣でした...。知念さんの愛し方というか、好きの伝え方とか、不器用で...でも誰にも負けないぐらいの優しさが込められてて切なすぎました。こんな素敵な作品に出会えて良かったです。私にとってとても大切な作品になりました。 (5月22日 23時) (レス) @page50 id: 78e45d5fd1 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - kaka4570aさん» このお話の知念さん、本当に一途でしたもんね。まりもも書いていて切ないと思ってしまいました 笑 そう言ってくださり、とても嬉しいです。新婚生活、想像しただけでにやけてしまいます 笑 応援ありがとうございます(*^^*) (2019年8月12日 18時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
kaka4570a(プロフ) - 知念さんの一途さに知らぬ間に久し振りに占ツクを読んでて泣きました、思ってる事を中々言えない知念さんへ切なさ感じたりドレス姿を一番に見せた主人公ちゃんにも感動しました、新婚生活など見てみたいなぁなんて思ってしまいました(汗)これからも応援してます! (2019年8月8日 1時) (レス) id: 372fe47b6f (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 知念菜々さん» ありがとうございます!このお話の知念くん、めっちゃ一途でしたもんね。知念くんver.ですか……今のところ予定はありませんが、検討しておきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - 侑涼‐あゆり-さん» ありがとうございます! 前作も今回も読んでくださりありがとうございます(*^▽^*)結婚式のシーンはまりもの理想なので、喜んでもらえて嬉しいです 笑 学生生活頑張ってきます! (2019年7月8日 23時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2019年6月18日 21時