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大貴「期待した?」
「なっ…!」
.
唇じゃなかったけれど、
おでこも充分恥ずかしい…!
唇が触れたおでこからじんわり熱くなって
顔も赤くなるのがわかる。
そんな私に、大貴は真正面から向き合い、
少し困ったように笑った。
.
大貴「本当はしたかったんだけどさ…
アイツからちゃんと許可貰わないといけないから。」
「え?」
.
許可って、誰から…?
首を傾げる私。
大貴は喉の奥で軽く笑って。
.
大貴「それより早く帰ろ。知念が心配してる。」
.
差し出された左手。
私は右手を重ねた。
.
大貴「そうだ。
帰ったら今度はちゃんとしような。」
.
ココで。
と唇を指す大貴。
.
「…っ!?」
大貴「顔真っ赤。」
.
目を丸くさせる私と呑気に笑う大貴。
だけど、それよりずっと手が繋がれていることが
嬉しくて。
.
私ね、声が出なくなって分かったんだ。
言葉が一番身近な刃物だということ。
色んな人に色んな事を言われて傷ついて。
だけど、傷ついた心を癒してくれたのはまた言葉で。
そんな大事なこと、声が出なくなって
初めて気づいた。
言葉ひとつで誰かの人生を狂わせてしまうことや
逆に、その言葉も私に向けられることもあること。
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だから、ママに言ってしまったことは一生後悔し続けると思う。
祖母に言われたことも一生忘れられないと思う。
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だから……
.
「…好きだよ、大貴。」
大貴「えっ!?」
.
目を丸くさせる大貴だけれど、言葉一つで
たまらないくらい嬉しそうな顔をしてくれる。
.
これからはひとつひとつの言葉を大事にしたい。
大貴の声が好きっていうのも、
乱暴だけど、大貴の言葉がとても優しいから…
思ったことをストレートに。
真っ直ぐぶつけてくれるからなんだと思う。
.
大貴「…俺もAが好き。」
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まりも(プロフ) - 菜子さん» 読んでくださり、ありがとうございます。このお話が菜子さんの心に残ったようで…そう言ってくださってとても嬉しいです。伊野ちゃんメイン残ってお話、、検討しておきます 笑これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月19日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - まりもさんの作品をはじめて読ませて頂きました。読んでいて本当に心が温まるし、作品を作ったことのない私はいつか、まりもさんのように読んでいて気持ちが和むような作品を作りたいと思えました。これからも楽しみにしています!!伊野尾くんメインの作品お願いします (2019年1月13日 19時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - きんぐとるさん» ありがとうございます(o^^o)声が出ないという設定はどう書けばいいかとずっと考えていたので嬉しいです!ありがとうございます!笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、書くときはまたお付き合いください。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ひー☆さん» ありがとうございます!書き始めたときから読んでくださっていて光栄です!ありちね担のひー☆さんに満足して頂けて良かったです!ありちねメインのお話、是非検討させていただきます!こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - かよさん» 初めまして!コメントありがとうございます(//∇//)最後まで楽しく読んでもらえてホッとしています笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、再開したらまたいらっしゃってください(^^) こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2018年4月4日 23時