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***
「大貴っ!待って大貴!」
.
さっきからそう言っているのに、
聞く耳を持たない大貴。
それどころか、私の手が掴まれて、
部屋の外に連れ出された。
.
「ねぇ大貴!行くってどこに…」
大貴「Aが行くべきとこ。」
.
靴に履き替えて、家から出ると、
低くなり始めた太陽の下……
少し跳ねた栗色の髪の毛から
汗が小さく光った。
.
まさか、ここまで走って来たの…?
それに、行くべきところって……
.
「びょう…いん……?」
.
ピタリ、と大貴の足が止まった。
ぎゅっと強く握られる左手。
ゆっくりと大貴が振り返ると、
水分を蓄えて潤んだ黒目と目が合って。
唇はまっすぐ結ばれていた。
.
「い、やだよ……絶対に嫌!
ママ…っ、早織さんにもう私の声なんか聞かせたくない!
ママにももう会ったらいけないの!
ママがまた私の声なんか聞いたら……っ、
ママが私を見たら、こんな今度は本当にママが……!」
.
大貴「やめろ!」
.
突然、大貴に左手首が掴まれて、
強い腕と大貴の香りに包まれる。
耳元では大貴の息遣いが聞こえてきて。
.
何でこうなっているの?
どうして抱きしめられてるの?
何が起こったか分からなくて、
今、私目が泳いでると思う。
.
大貴「ふ、ざけんな…」
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まりも(プロフ) - 菜子さん» 読んでくださり、ありがとうございます。このお話が菜子さんの心に残ったようで…そう言ってくださってとても嬉しいです。伊野ちゃんメイン残ってお話、、検討しておきます 笑これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月19日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - まりもさんの作品をはじめて読ませて頂きました。読んでいて本当に心が温まるし、作品を作ったことのない私はいつか、まりもさんのように読んでいて気持ちが和むような作品を作りたいと思えました。これからも楽しみにしています!!伊野尾くんメインの作品お願いします (2019年1月13日 19時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - きんぐとるさん» ありがとうございます(o^^o)声が出ないという設定はどう書けばいいかとずっと考えていたので嬉しいです!ありがとうございます!笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、書くときはまたお付き合いください。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ひー☆さん» ありがとうございます!書き始めたときから読んでくださっていて光栄です!ありちね担のひー☆さんに満足して頂けて良かったです!ありちねメインのお話、是非検討させていただきます!こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - かよさん» 初めまして!コメントありがとうございます(//∇//)最後まで楽しく読んでもらえてホッとしています笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、再開したらまたいらっしゃってください(^^) こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2018年4月4日 23時