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***
「本当に、ごめんなさい。」
.
深く頭を下げる。
アリスの代役、せっかく指名してくれたのに
結局何の役にも立てなかった。
クラスのみんなにも、頑張るって言った侑李にも申し訳なくて、
伏せた視界に床が見えて。
.
侑李「…A。」
.
その視界に見えた侑李の手のひら。
.
侑李「…カバン。」
「えっ?」
.
カバン…?
予想外の言葉に頭を上げて首を傾げてしまって。
頭を上げて侑李と目が合うと、
侑李は指先をちょんちょんと曲げた。
.
侑李「早くAの鞄ちょうだい。持つから。」
「え、あ……」
侑李「早く。」
「は、はい…!」
.
慌てて自分の鞄を侑李に渡し、
受け取った侑李は早足に歩き出す。
.
「あの、侑李…」
侑李「今日だけだからね、
Aの鞄持ってあげるの。」
「え?」
.
侑李「だから今日はもう謝らなくていいし
迷惑とかも思わなかったから。」
.
ゆっくり振り向いた侑李は、
立ち尽くす私と向き合う形となる。
じっと私を見る侑李。
きゅっと唇が閉じていて、2回瞬きをして。
ふっ、と笑った。
.
侑李「さっきのことも、文化祭も僕は気にしてないからさ。
Aも、もう気にしないで……うん。
だから、今日は早く帰ってたくさんご飯食べよ。」
.
前歯を覗かせて笑う侑李の笑顔。
その気遣いと、少し幼い笑顔に少し救われた……
.
「あなた、どちら様?」
.
大貴「突然すみません……
あなたの娘さんとお孫さん…
Aについて少しいいですか?」
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その頃、大貴がまさか祖母のところにいたなんて
知る由もなかった……
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まりも(プロフ) - 菜子さん» 読んでくださり、ありがとうございます。このお話が菜子さんの心に残ったようで…そう言ってくださってとても嬉しいです。伊野ちゃんメイン残ってお話、、検討しておきます 笑これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月19日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - まりもさんの作品をはじめて読ませて頂きました。読んでいて本当に心が温まるし、作品を作ったことのない私はいつか、まりもさんのように読んでいて気持ちが和むような作品を作りたいと思えました。これからも楽しみにしています!!伊野尾くんメインの作品お願いします (2019年1月13日 19時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - きんぐとるさん» ありがとうございます(o^^o)声が出ないという設定はどう書けばいいかとずっと考えていたので嬉しいです!ありがとうございます!笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、書くときはまたお付き合いください。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ひー☆さん» ありがとうございます!書き始めたときから読んでくださっていて光栄です!ありちね担のひー☆さんに満足して頂けて良かったです!ありちねメインのお話、是非検討させていただきます!こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - かよさん» 初めまして!コメントありがとうございます(//∇//)最後まで楽しく読んでもらえてホッとしています笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、再開したらまたいらっしゃってください(^^) こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2018年4月4日 23時