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***
「……っ、はぁ!」
.
右手にはクシャクシャと丸めた手紙…
.
“Aへ”
“Aに手紙を書くのも何回目でしょうか”
“お前が父親である俺のことを憎んでいることは
知ってます”
“しかし、Aもそろそろ真実を
知っておかなければならない思い、手紙を書きました“
“Aのお母さんですが、本当は…”
.
向かう先はただ一つ…
迷わず辿り着いた。
ここは、何度も“目の前まで“来た
場所だったから。
.
消毒液の臭いと
すれ違う白衣を纏った人たち。
“走らないでください!”と注意されるけど
その足が止まることは無かった。
309号室、“水城早織”の
病室の前までは……
.
「あなた、なんでここに……
面会謝絶なの、分かってるわよね?」
.
そのドアの向こうには、たくさんの管で繋がれた女性と
一人の老人がいた。
.
ベッドの傍で座っていた着物を着た老人は、
“あのとき“と同じ恐ろしい目をして私を見ている。
私はその人に深く頭を下げた。
.
「……貴方と話す気なんてさらさらないわ。
“人殺し“は出てってちょうだい。」
.
あのときと同じ言葉に心臓が抉られる。
足がすくみ、口から心臓が出てしまいそう……
そういえば、この人は私を
普通に“人”として見てくれてたことあったっけ?
.
「“母親“を追い詰めたくせによく来れるものね。
その神経が分からないわ。」
「……っ!」
.
その人の瞳に映る私は
どんな風に見えているのだろう…
胸の奥が刺さるように痛み、唇をかんだ。
腰を爪で抓った。
.
……私は握りしめていた手紙を
その人の前に差し出した。
次、ママに会うときは“ごめんなさい”と言いたかった。
だけど、やっぱり許されないことだったんだ…
謝ることは簡単だから。
.
“水城早織“は
私の“ママ“の名前だ……
***
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まりも(プロフ) - 菜子さん» 読んでくださり、ありがとうございます。このお話が菜子さんの心に残ったようで…そう言ってくださってとても嬉しいです。伊野ちゃんメイン残ってお話、、検討しておきます 笑これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月19日 20時) (
レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - まりもさんの作品をはじめて読ませて頂きました。読んでいて本当に心が温まるし、作品を作ったことのない私はいつか、まりもさんのように読んでいて気持ちが和むような作品を作りたいと思えました。これからも楽しみにしています！！伊野尾くんメインの作品お願いします (2019年1月13日 19時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - きんぐとるさん» ありがとうございます(o^^o)声が出ないという設定はどう書けばいいかとずっと考えていたので嬉しいです！ありがとうございます！笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、書くときはまたお付き合いください。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ひー☆さん» ありがとうございます!書き始めたときから読んでくださっていて光栄です!ありちね担のひー☆さんに満足して頂けて良かったです!ありちねメインのお話、是非検討させていただきます!こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - かよさん» 初めまして!コメントありがとうございます(//∇//)最後まで楽しく読んでもらえてホッとしています笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、再開したらまたいらっしゃってください(^^) こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まりも
| 作成日時：2018年4月4日 23時
