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『私はやりたいです』
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薮先生は私のボードを見て、目を見て。
薮先生の目は少し睨んでるように見えて
逸らすことが出来ない。
じっと目を合わせると、先生は降参したように息を吐いて
そっか、と呟いた。
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宏太「じゃあやればいいと思う。」
侑李「はぁ!?ちょっと宏太……!」
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あっさりとした薮先生の返事に
声を上げる侑李。
興奮し過ぎているのか、
侑李、先生に“宏太”って言っちゃってる…
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宏太「だって、水城がやりたいって言ってるから。」
侑李「だけど……!」
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宏太「知念。水城が何しようが、水城の勝手だ。
水城の好きにさせてやりなさい。」
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いつもの高い声じゃなくて、少し低い声。
ぽんぽんと頭を撫でられて、改めて頭を上げれば、
優しい顔をした先生と目が合った。
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宏太「だって、水城は“強く”なりたくて
転入してきたもんな。」
「……っ!」
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先生の言葉に涙が出そうになる…
薮先生の言葉が嬉しかった。
分かって、くれた…
違う、分かってくれていた……
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横にいる侑李からの視線に捕らわれて
パチリと目が合う。
重苦しく息を吐く侑李。
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侑李「……勝手にすれば。」
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知らないから、とも付け足された。
怒っているけど、許してくれた…
身体の力が抜けて、息を吐いて
私は手を膝に着いた。
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「じゃあよろしく、水城さん。」
夏菜「A、頑張んな。」
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クラスの子たちもそう言ってくれて、
ピリピリとしてた雰囲気が消えた気がする…
クラスが団結して、みんなの顔に笑顔が戻る。
私は侑李の隣で、みんなに大きく頭を下げた。
明日の文化祭、頑張ろう…!
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そう思っていた。
.
宏太「あっ、そうだ水城。
転入手続きの件で、まだ提出されてない書類があるから
急ぎで悪いけど、明日持ってきてくれるか?」
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このときまでは順調だったんだ。
学校生活も、“私自身“も……
本当のことなんて、知りたくなかった___
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まりも(プロフ) - 菜子さん» 読んでくださり、ありがとうございます。このお話が菜子さんの心に残ったようで…そう言ってくださってとても嬉しいです。伊野ちゃんメイン残ってお話、、検討しておきます 笑これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月19日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - まりもさんの作品をはじめて読ませて頂きました。読んでいて本当に心が温まるし、作品を作ったことのない私はいつか、まりもさんのように読んでいて気持ちが和むような作品を作りたいと思えました。これからも楽しみにしています!!伊野尾くんメインの作品お願いします (2019年1月13日 19時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - きんぐとるさん» ありがとうございます(o^^o)声が出ないという設定はどう書けばいいかとずっと考えていたので嬉しいです!ありがとうございます!笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、書くときはまたお付き合いください。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ひー☆さん» ありがとうございます!書き始めたときから読んでくださっていて光栄です!ありちね担のひー☆さんに満足して頂けて良かったです!ありちねメインのお話、是非検討させていただきます!こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - かよさん» 初めまして!コメントありがとうございます(//∇//)最後まで楽しく読んでもらえてホッとしています笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、再開したらまたいらっしゃってください(^^) こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2018年4月4日 23時