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***
「……っ。」
.
力強く腕が引かれて、
トンっと侑李の胸板にぶつかる。
何で侑李がここにいるの……?
.
大貴「何で知念が…」
侑李「伊野ちゃんから連絡もらったの。」
大貴「どういうこと?」
.
大貴の問いかけにポリポリと頭をかいて
気まずそうに伊野尾先輩は口を開く。
.
慧「さっきの子たちの会話に知念も出てたから
知り合いかと思って、一応呼んだんだけど…」
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そう、なんだ…
それより、侑李が怒ってる……
どうして?
.
侑李「連絡ありがとう伊野ちゃん。
帰るよ、A。」
.
ギュッと包み込まれる腕と
侑李の甘い匂い。
これにはさすがの伊野尾先輩も驚いて
もう片方の侑李の手を掴んだ。
.
慧「待って知念。Aちゃんは大ちゃんに…」
侑李「そうはさせないって言ったでしょ。」
大貴「……何で?」
.
今度は大貴が問いかける。
低く、冷静な声。
大貴は侑李の手じゃなくて、
私の手を握っていた。
.
侑李「…Aを傷つけたの、大貴でしょ?」
慧「いや、違うって。これは…」
.
侑李「今の話をしてるんじゃない!」
.
珍しく大声を上げる侑李。
驚いて目を見開く大貴に、侑李は更に声を荒らげた。
.
侑李「昨日Aに何言ったの!?
あのとき大貴自身が言ったこと、まさか忘れた訳じゃないよね?」
.
あのとき?
あのときって、いつ…?
大貴に何を聞いたの?
.
大貴「忘れてない。それに、別に俺は何も…」
侑李「……自覚ないならいい。」
.
短くそう言って、侑李は大貴と伊野尾先輩に
背を向ける。
強く引かれる手。
何故か怒っている侑李…
あまりに突然すぎる展開についていけず、
侑李に引かれるままに教室から出た。
.
大貴「A…」
.
名前を呼ばれて振り返り、
ほんのわずか、大貴と目が合った。
.
「……っ!」
.
…怖くなって、ぞっとした。
なぜなら…大貴も侑李と同じくらい怖い顔…
ううん、それ以上に私たちを見つめ続けていたから……
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まりも(プロフ) - 菜子さん» 読んでくださり、ありがとうございます。このお話が菜子さんの心に残ったようで…そう言ってくださってとても嬉しいです。伊野ちゃんメイン残ってお話、、検討しておきます 笑これからもどうぞよろしくお願いします。 (2019年1月19日 20時) (レス) id: aaad2f0c31 (このIDを非表示/違反報告)
菜子(プロフ) - まりもさんの作品をはじめて読ませて頂きました。読んでいて本当に心が温まるし、作品を作ったことのない私はいつか、まりもさんのように読んでいて気持ちが和むような作品を作りたいと思えました。これからも楽しみにしています!!伊野尾くんメインの作品お願いします (2019年1月13日 19時) (レス) id: f717513e5e (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - きんぐとるさん» ありがとうございます(o^^o)声が出ないという設定はどう書けばいいかとずっと考えていたので嬉しいです!ありがとうございます!笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、書くときはまたお付き合いください。 (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - ひー☆さん» ありがとうございます!書き始めたときから読んでくださっていて光栄です!ありちね担のひー☆さんに満足して頂けて良かったです!ありちねメインのお話、是非検討させていただきます!こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
まりも(プロフ) - かよさん» 初めまして!コメントありがとうございます(//∇//)最後まで楽しく読んでもらえてホッとしています笑いつ再開するかまだ分かっていませんが、再開したらまたいらっしゃってください(^^) こちらこそご愛読ありがとうございました! (2018年6月17日 20時) (レス) id: 0257840ab5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まりも | 作成日時:2018年4月4日 23時