夏ときみの声と (Daiki＆Yuri)

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アイツ……?

アイツって誰だろう?









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侑李の大きな瞳を見ながら首を傾げると、

更に右手が侑李の口に近くなって、









ぱくり、とお箸で掴んでいた

餃子を食べられた。









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あー!

私の餃子がぁ……









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「Aちゃんどうしたの?

そんな顔をさせて……」









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お風呂場から戻ってきたおばさんが

私の顔をのぞき込む。









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いや、あの……









声を出したくても出ないし、

左側を見ても侑李は知らんぷりだし……









私はブンブンと首を横に振るしかなかった。









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「それならいいんだけど……

あ、学校のことだけど、さっきの話どうかしら?」









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あ、それは……









私は下からボードを取り出して

文字を書いておばさんと侑李に見せた。









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『高校のこと考えてくれてありがとうございます。

もう少し考えてみてもいいですか?』









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「もちろん。焦る必要はないし、

ゆっくり考えてね。」









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おばさんの言葉に、侑李も頷いた。









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優しいおばさんに、

いじわるだけど優しい侑李。









この家に引き取ってもらえて

よかったな。









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