夏ときみの声と (Daiki＆Yuri)

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侑李の部屋から出て、充電中のスマホを手に取る。

左手はさっきの氷、右手にはスマホ。









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“これ、大貴の連絡先”

“AのLINEに送ったから、あとで見てみたら?”









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侑李とのトーク画面には、

侑李から送られてきた大貴のLINEの連絡先。









手は汗で濡れていて、胸はドクドクと鳴っている。

おでこも汗で濡れていて、汗がタオルに吸われてた。









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気持ちを落ち着かせるためにはぁ、と大きく息を吐き、

送られてきた連絡先から追加をした。









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LINEのトプ画は有名な海外のアーティスト。

私は震える手でトーク画面をタップした……









ときだった。









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____ピロン…









“友達追加ありがとう!”

“よろしくな!”









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そのメッセージと

お侍さんが正座してるスタンプ。









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まさかの、大貴からLINEが来た……









うそ、でしょ……









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いきなり付けてしまった既読。

私は急いでLINEを返した。









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“こちらこそよろしくね”

“今日はありがとう”









“おう!”

“今日は早く寝ろよ!”









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そのあとに続いた、今度はパンダが布団に入って

おやすみと添えられてるスタンプ。









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大貴からのLINEは私や侑李とは違って必ず語尾に！が付いていて

スタンプも可愛らしいものだった。









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大貴にメッセージを送ったら寝ようと思っていたけど、

少しだけのやり取りが続いて。









本当に2,3回交わした、ほんの少しだけ。

だけど、なんだか嬉しくって。









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何度もトーク画面を開いては、

大貴からの返事を見ての繰り返し。









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そのおかげで、おでこに氷を当てることなんて

すっかり忘れていて。









今夜はなかなか眠れない夜になってしまった。









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