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俺の部屋は自分で言うのもなんだが、結構狭い
元々狭いのに、漫画とか、筋トレグッズとかが置いてあるせいで、余計に狭く感じる


なのに



「ここが勇翔ハウス〜!」


「うるさい、近所迷惑」


ちょこちょこと部屋中を駆け回られて、迷惑極まりない


「あ、これ、この前着てたやつだー!」


「は……」


「勇翔、こーゆーの好きなんだね!」


気がついたら、タムは俺のクローゼットを全開にしていた。しかもそこ、下着入ってるとこだし……


お巡りさん、助けてください
こいつ、ただの変態です



「勇翔ー!お腹すいた!」


「じゃ、焼くからコンロに寝そべって」


「おー!美味しそうな焼き魚!って、誰が魚じゃ」



まぁ、君が魚であろうと、そうでなかろうと、絶対食べたくないけどね
とりあえず、今日はカップ麺かな………

………あ


「ヤバイ……」


「勇翔、どったのー?」


「……いや、なんでもない」


言えない
昨日、夜食と称して食べたせいで、カップ麺が1つしかない……
これはなんだ、タムに譲るべきか?
いや、でもこれ、この前コンビニでラスト1個だった限定のやつ……!俺が死ぬほど食べたかったやつ……!
これを譲るのは絶対嫌だ!!


「勇翔ぃ……タムタム、お腹すいて死んじゃう……」


1食食べないくらいで死ぬわけないでしょ
勝手にあがりこんでおいて、ご飯催促とか……さすがにありえない



「……よし、ちょっと待ってて。ご飯作る」


「えっ、勇翔ってご飯作れるの!?」


待て、こいつ、俺のことなめてる?
何年一人暮らししてると思ってるんだ
多少の料理くらい出来る


……気がする




「勇翔がご飯作ってるって、なんか感動したー!」


「なに、タムは俺をなんだと思ってるの?」


感動した、じゃなくて
少しは俺のこと褒めてくれないかな?
嫌な奴を、部屋に仕方なく泊めてやったうえに、ご飯まで作ってやってる
あぁ、なぜ俺は報われないんだろう
褒めて、誰か全力で俺を褒めて




適当に、本当に適当にしょうが焼きを作った
若干焦げてるけど


「しょーが焼き!!俺のために作ってくれたんだよね!ありがとっ!」


やばい、潰れる
タムが、全力で俺を抱き締めてきた
ありがと、まででいいだろ
なんで抱き締める必要があるんだ?


こいつの思考回路は、どうも理解できない
俺もかなりの変人扱いされるけど、一番の変人はこいつだ


あぁ、早く今日が終わればいいのに…

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作者名:あお | 作成日時:2017年7月19日 14時

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