独占欲 (ページ10)

今日:12 hit、昨日:0 hit、合計:12,594 hit

.9 ページ10

「俺…、化け物じゃない…？」

「おう」

「でも、俺、体温もないし、笑ったり、泣いたりしてるのも、人間の真似してるだけだし…」

「…」

「空も飛ぶし、牙もあるし…」

「…だからなに？」

「なにって…」

体温とか、そんなことはどうでもいい。

俺は、お前が

BOYS AND MENの勇翔が好きなんだから…

「お前がなんだろうと、俺はお前の全てを受け入れたる。無駄に綺麗な顔も、死んでるリズム感も、遅刻ばっかなとこも、全部、全部！勇翔の全てを愛しとんの！だから…！お前は化け物じゃない！！」

伝われ

お前は化け物じゃない

大切な仲間で

それ以上に大切で………

「………それ、だから、に繋がらなくない？」

「え」

た、たしかに

「つーじ、俺のことが大好きなんだね」

え、まって

てことは、え、俺、ただ恥ずかしいことをつらつらと言いまくっただけ！？

「うわぁぁぁぁぁぁ！！忘れろ！早急に忘れろ！マジで忘れろ！！！！！」

多分、今の俺の顔は、まさにつじちゃんカラー

ここまで恥ずかしいこと言ったの、初かもしれん

「？？なんで？わすれなきゃいけないの？」

「は！？いやいや、普通に恥ずいから！」

「うぇ？俺、普通に嬉しかったよ？」

嬉しかったよ？なんてキョトンとしながら言ってくるもんだから

多分、余計に赤くなったな……

「つーじ、血ぃもらっていい？」

「え、あ、おう！」

いつものように、少し服をずらしてやって

……痛みが来ん

「…俺も好きだよ」

「！？//」

耳元で、好きはずりぃよな…

ｷﾞｭｳｯ

噛みついてこないで、抱き締められる

なんとなく、勇翔の体温を感じた気がした

「つーじ、俺ね、はじめてかも…」

「なにが…？」

「"好き"って思うと、人も、ヴァンパイアでも、あたたかくなる…」

「……そっか」

「つーじ、ありがと……」

「は？」

「俺に、好きっていう気持ちと、人のあたたかさを教えてくれたから…」

「なに言ってんだよ…バカ…」

「……俺ね」

「なに」

嫌な沈黙が続く

なんだ……

すげぇ、嫌な……

「俺、そろそろ消滅するんだ」

「……は……？」

運命ってのは、本当に儚いものだ