独占欲 (ページ6)

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勇翔は、ちょくちょく血を求めてきた

その度に、人気のないところへ移動して

「んぅ…」

慣れてきたこの感覚

なんなら、痛いってのを通り越して

気持ちいいって思うようになった

「勇翔、俺の血ってうめぇの…？」

これ、聞いてみたかったんだよな

そもそも、人によって血の味変わんのかな？

「えっとね…、なんか…好き」

「はぁ？」

「だから！味とかわかんないけど、なんとなく好きなの！」

味わからんて…

あ、そっか、こいつ「おいしい」がわからんっつーから、味わかんねぇってのも変ではないか…

「…なんか、勇翔ばっか吸うのずるくね？」

「うぇ？」

ほんとにずるい

こうやって、首に噛みついて

俺の気持ちをおかしくさせて

「俺もヴァンパイアやったら、勇翔の血吸えたんにな」

「あー…うん」

…別に、噛みつくだけでも…

「…勇翔」

ｶﾞﾌﾞｯ

嫌われるのを覚悟で

思いっきり首に噛みついてやった

知ってる

勇翔には、俺に対する恋愛感情なんてない

ただ、血を分けてもらってるってだけ

「つ、つーじー…っ…」

…ん？

勇翔のやつ、首弱いんかな…

「い、痛い…」

あ、やべ

強く噛みすぎた気がして、すぐに離れる

見てみると、勇翔の白い綺麗な肌に

俺の噛んだ跡がくっきりと残っていた

「痛いよ、もう…」

「んなもん、お互い様やろ」

勇翔への

俺のものっていう、シルシってかんじかな

いつかは消えるものでも

ずっと、消えないでほしい

……なんて