独占欲 (ページ13)

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「勇翔！！」

勢いよく玄関のドアを開ける

いつもなら、「おかえり～」って来てくれるのに…

「勇翔？勇翔…」

部屋の奥から、ガタガタッて、なにかが崩れるおとがした

嫌な予感がして、

「勇翔っ！！！」

近所迷惑なんて言ってられん

「っ…つー…じ…」

壁に手をついて、今にもぶっ倒れそうな

顔色も悪いし

絶対俺のせいや…！！

「勇翔！はやく！俺の血飲め！！」

「ぅ…」

かぷっと、鎖骨近くに牙が刺さる感覚

いつもよりも、全然弱々しくて

「んぅ…ﾊｧ…」

痛い、とか

そんなことは考えてられんかった

もう、俺の血を全部飲まれてもいいから

頼むから、勇翔……！！

「っ…あり…がと…」

「もう大丈夫か？」

「多分…」

多分ってなんだよ

てか、まだ顔色悪いな……

「もう少し飲んだほうが…」

「これ以上は…つーじが倒れちゃうでしょ…？」

このバカ………

なんで俺の心配なんてしてんだ…

「いーよ。勇翔を助けて倒れるなら本望」

「やだ…」

やだって…

こいつ、俺のことも考えろよ

お前が倒れて…いなくなるほうが嫌に決まっとるだろ………

これだからアホってのは………

「………」

「…つーじ、やっぱり、もう少しちょーだい？」

少し低い体制になってやろうとすると

腰に手を回され、引き寄せられた

こいつ、こーゆーときだけ馬鹿力

「んっ…」

キスのついでに、下唇に衝撃が走る

唇って、割れたりすると痛ぇんだぞ！！

もちろん、すっっっっっっっっげぇ痛ぇ

まぁ！本人には言わんけどさ！

つじちゃんは痛みに強いからな！！

「ぷはぁ……ごちそうさまぁ……」

ぷはぁじゃねーよ

おまっ、がっつり痕残ったわ

これ、確実に怪しまれんだろ……

俺が軽く睨むと、勇翔はけろんっとした顔で、八重歯に残った赤を舐めた