独占欲 (ページ12)

今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:12,587 hit

.11 ページ12

あの日から

勇翔と俺は、ずっと一緒にいた

毎日互いの家に泊まって、たまに二人で事務所に泊まって

勇翔が観たいっていう、アニメの映画やら

行きたいっていうイベントやら

自転車で何時間もかけて出掛けたり

スイーツ巡りに付き合ったり

消えるまでの時間を、充実させとった

「ちょい、また薄くなっとらん？」

「ん、ほんとだー」

リアクションも薄いな！？

勇翔も、自分の体が透けるのに慣れたのか、こんな感じ

「最近、余計に増えてきたな。透ける時間……」

「ま、消えるのに近づいてるってだけでしょ」

…………怖いとか思わねぇのかよ

やっぱ、こいつは変人

いや、人じゃねーから、……変吸血鬼？

語呂悪ぃ

「あ、つーじ、そろそろ時間だよ？」

「ん？あ！！！やっべぇ！！！！！」

今日は勝と二人でのロケ

遅刻なんてしたら、…考えるのも恐ろしい

「つーじ、いってらっしゃい」

「おう！」

勇翔に見送られて、急いで現場に向かう

ただ、なんか忘れたような……

モヤモヤを抱えたままだったせいで

NG連発

勝にさえ、「なんか、お前らしくない」って

夜遅くまで続いたロケを終え、ダッシュで帰宅

っと、その前に、勇翔のためにプリンを買って帰る！

きっと、喜ぶだろう

勇翔も、腹減っとるだろうから……

……ん？

そうだ……！！！

さっき出る時、勇翔に血あげとらん……！！

やばい……

勇翔のために、脚がもげそうなくらいに急いだ

こんな全力疾走したの、何年ぶり…

いや、なんなら生まれて初めて

勇翔…

今、行くからな…！