独占欲 (ページ11)

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「俺、そろそろ消滅するんだ」

…意味がわからん

消滅ってなんだよ

消えて、無くなる…？

勇翔が？なんで？

「意味わかんないよね…」

「…おう」

「あのね、ヴァンパイアって、人を愛しちゃいけないんだって」

「…てことは…」

「俺、つーじのこと好きになったし…やばいかも」

「うそだろ…まだ、消えるって決まったわけじゃねーだろ！？」

「…最近ね、よく体が透けたり、すぐに血が足りなくなったりすんの」

それ、本当にヤバイ感じの…

俺を好きになったせい…

俺のせいで、勇翔が消滅………

「勇翔…」

「ん？」

俺を好きにならなければ

俺への愛が無くなれば

こいつは、消えなくて済むよな……？

「………俺、やっぱ無理…」

「なにが…？」

「お前の…こと…」

ごめん

本当にごめん

「やっぱ…ヴァンパイアとか、気持ち悪ぃし、そんな奴……好きになるわけ、ねぇだろ……」

「…つーじ…」

「お前も…勝手に好きとか思ってんじゃねーよ、マジで…迷惑っ…」

「………」

勇翔の顔が見れん

こんなこと、言いたくなかった

でも、俺を嫌いになれば……

消える必要無くなるだろ……？

「…バカなの？」

「あ？」

「…そんな顔で言われても、説得力無いよ？」

そんな顔って…………

「…………ほら」

………やっと気づいた

勇翔に涙を拭われて、ようやく

泣いとったんだな………

「つーじ、俺ね？つーじを好きになって消えるなら、それでいいと思ってる」

「は？いいわけねぇだろ……」

「どうせ、いつかは消えるんだから…。つーじと会えて良かった。つーじを好きになれて良かった」

「ざけんな、お前のこと…バカっ………！」

いつか、なんかで聞いたっけ

男は泣くな！って

でも、…それでも、堪えられん時くらい、あってもいいよな…？

「っ…う…」

「消えるまでの間、つーじと、ずっと一緒にいたいんだよね」

「っ…当たり前だろ……！」

最期の一瞬まで

お前のそばにいたい

なにがあっても、離れんからな…………