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そうこうしてると海風が強くなってきたらしい
立ち上がったお姉さんが、風で流れる髪を鬱陶しそうに耳にかける
いつまでも外に居させるのもな……
サンジ「あ、あのこっちです！」
案内しますと言えばまたにこりと笑うお姉さん
綺麗な人、のはずなのにいつものような気持ちになれない
違和感を感じつつ、時たま後ろを振り返ると
「んふふっ…これはこれで、バカンスね」
と上機嫌そうなお姉さん、その横を歩く男は少し呆れ顔で何か話している
声が小さくて何を言っているかは分からないが
……やっぱり変だ
後ろを歩く女の人が笑う度に、息が詰まりそうになるのは何故だろう
たった今、会ったばかりのこの人に
俺は何を感じて、こんな気持ちになってるんだ
1人悶々と考えているとこちらに気づいたらしいお姉さんと目が合う
「ん？どうかした？」
サンジ「え、い、いや…」
笑い方が、陽に当たる髪が
太陽の光を反射するその瞳が、似てるからなのか
サンジ「なんでもないです」
はりつけたような笑みで誤魔化す
俺は何を考えてるんだ
昔のことは忘れて生きてくと決めたのに…
目を閉じ、押し上がる気持ちを押さえつけていく
この人はあの人じゃない、違う
違うんだ
言い聞かせるように、歩みを進めていく
扉が見えてきた、食堂は近い
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作者名：夏至 | 作成日時：2018年1月18日 17時
