トリップできたので未来を変えます。4【ONE PIECE】 (ページ24)

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「もーらいにょーふ」
これね、一応もう大丈夫って言ったんですよ
タオルが邪魔で喋れてないけど

サンジ「でもっ」

「ぷはっ……しゃーない、サクラ、サンジ君捕まえといて」

サンジ「なっ…Aさん！！！離せ！サクラ！」

サクラ後ろからがっしり掴まれ、サンジ君がタオルを落とす
デッキに落ちた血のついたタオルを拾い上げ私は歩き出した

サンジ「Aさん！」

「サンジ君」

後ろからの声に振り返って、にっこり笑う

「応援してね」

・

・

・

サンジ君をサクラに任せ、デッキの中央へ戻ってきた私は陽を浴びるカナリヤに話しかけた

「前々から思ってたんだけどさ……この組み合わせ、たまには変えない？」

鼻血を止めるために鼻をつまんでいるせいで、変に鼻にかかった声が静寂を破った

私の言葉に驚いたような顔のカナリヤ
唐突に何を言い出すのか、そんな顔だ

カナリヤ『どうしたの、急に』

少し笑顔を作りながら、カナリヤが額の血を拭う

「昔から思ってたんだけどさ…女の私と、男の兄さんって分が悪すぎだと思うんだよね」

カナリヤ『言い訳かい？…あ、それとも何…手加減してほしかったり？』

カナリヤは、戦闘中というよりは普通に雑談するときのように笑った

「手加減なんて、してもらう必要ないよ。心外だなあ。練習だし…遊びだよ。普通に戦って」

私もそろそろいいか、と鼻からタオルを放す
うん、血も止まったみたいだ

カナリヤ『冗談だよ。でも、男女の差を出してくるからてっきり』

ふーん、と少しつまらなさそうにして、少し離れた場所に畳んだタオルを置きに行く

「別にそういうんじゃない。そりゃあ…男の子の方が力もあるしいいなーとは思うけど、

いいことばっかりでもないでしょ？」

カナリヤ『Aがそう思うなら、そうなんだろうね』

話してる最中、タオルを置く流れでマストの裏に隠れる
これで少しの間カナリヤの顔が見えない、意識を切り替える

さて、どうすりゃ勝てる……

私の姿が見える位置まで移動すると、またカナリヤは話し始めた

カナリヤ『そろそろ血も止まったようだね、よかった。強く殴りすぎたんじゃないかと、』

カナリヤはそこで言葉を区切る

こちらに向かって拳を振りかぶる兄の顔は、ワクワクした子供みたいな、無邪気な顔で逆に恐ろしい

カナリヤ『心配してたんだ…よ！』

「嘘つけ！！！」

さっき兄の動きを思い出し、屈んで拳を躱す
頭上からブォンって音がしたのは驚いた