101. 誰の番？ ページ6
ーー殴られた。
そう思った瞬間、咄嗟に目を逸らした。
…けど、聞こえたのは静かな音で。
見ると、至さんが祐也にぃの胸に拳を当てていた。
祐也｢…何だコレは｣
至｢３ヶ月、オレの昼飯代払うのとオレの分の残業やって｣
祐也｢はぁ？｣
至｢殴ったら終わり、なんて甘いことしないから｣
至さんが黒く笑う。
祐也にぃはそれを見て大きく息を吐いた。
祐也｢そういうトコちゃっかりしてるよな、お前｣
至｢褒めてる？ありがとう｣
祐也｢昼飯代はともかく、残業は許容範囲外だ。断る｣
至｢…それはオレの個人的なお願い｣
ーー至さんが、そっと私の手を優しく握った。
指先が少しだけ冷たい、至さんの手。
……安心、する。
至｢今は、Aと少しでも長く一緒にいたいから｣
A｢っ……！｣
祐也｢…なるほど。目的がゲームだったらはっ倒すところだった｣
至｢そりゃあゲームもしたいけど。今はリアルの方が大事｣
祐也｢はぁ…分かった。やってやるよ｣
祐也にぃは服を正して荷物を手に取った。
祐也｢明日、遅刻すんなよ｣
至｢ホントはもう顔見たくないレベルだけど、Aに免じて許す｣
祐也｢はいはい。言っとくけど、諦めた訳じゃないからな。一瞬でも隙を見せたら、奪いに行く｣
それを忘れるな、と言うように至さんの肩に拳を当てた。
至｢もちろん。でも、祐也の出る幕なんてもう無いよ｣
祐也｢残念、コイツのバージンロードの隣歩くのオレだから｣
至｢させないし｣
祐也｢誓いのキス、オレがお前の代わりにやってやろうか？｣
至｢本気で殺しに行くけどいい？｣
(な、何かサラリとすごい話になってる気が…)
…でも、2人がまた笑顔で話せるようになって、よかった。
祐也｢ああ、そうだ。A｣
ちょいちょいと手招きされ、祐也にぃの近くに行くと、耳元に顔を寄せた。
祐也｢今夜、寝させてもらえないと思うけど…頑張れよ｣
ーー限りなく小さく低い声で、そう囁かれた。
私も、その意味が分からないほど無知ではない。
一気に顔が熱くなって、祐也にぃが、それを見てフッと笑った。
祐也｢ーーじゃあな｣
どこか寂しそうな顔をしながら…ひらひらと手を振って、祐也にぃは出て行った。
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時雨 - 読ませてもらいました！万里君のシスコンが可愛すぎる！こんなに愛されてみたいですね。たるちは安定の可愛さで、裕也さんはthe大人の男の人感がかっこいい！ (2020年4月4日 13時) (
レス) id: 965ecb5c1a (このIDを非表示/違反報告)
うりうり(プロフ) - 罰ゲームなんなんですかああああああああ！！！！ (2019年9月10日 16時) (レス) id: 11d35ae2ce (このIDを非表示/違反報告)
クリア - すごい面白かったです。更新頑張ってください！ (2018年3月3日 8時) (レス) id: 0c79b731d4 (このIDを非表示/違反報告)
柊(プロフ) - 小説読みました！！！ 面白かったです！更新頑張ってください！！ (2017年12月17日 8時) (レス) id: 9cb1ed3aee (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - じゅんたんさん» そんな嬉しいこと言ってもらえるなんて…嬉しすぎます(T ^ T)いつも読んでくださってありがとうございます！駄作ですが、これからも読んでいただけると嬉しいです(^^)更新頑張ります！ (2017年11月6日 9時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年11月5日 9時
