59. 止まらない涙 ページ15
――Aと話し始めて早2時間。
色んな話をしたけれど、まだ記憶は戻らなかった。
(他に、何か思い出せそうなこと…)
至「そういえば…春組の旗揚げ公演とか、覚えてる？」
うーん…と考えてから、Aは首を傾げた。
A「至さんはどんな役を演じたんですか？」
至「ティボルト。準主演のジュリアスの乳兄弟だよ」
A「ティボルト…何か名ゼリフとかあったりしますか？」
至「一応、評判良かったのとかはあるよ」
A「えっ、見てみたいです！」
至「…まさか、ここでやれと？」
A「はい！」
…しまった、この話題振らなきゃよかった。
一緒に演る人がいるならまだしも、好きな人の前で1人芝居とか地獄。
至「…見たら一瞬で脳内から消去よろ」
あまり乗り気がしないまま立ち上がり、一度だけAと目を合わせ、大きく深呼吸する。
『俺はお前のことが心配なんだよ、ジュリアス』
『貴様らを駆除してやる』
『――死ね、ロミオ！』
……よし、やりきった。 もうオレここで死ねる。
ため息をつきながら腰を下ろして……Aを見て、驚いた。
至「……A？」
…Aが、泣いていた。
ボーッとした表情のまま、ただ、静かに涙を流している。
―――涙が、止まらなかった。
至さんの演技を見た瞬間、何かがこみ上げてきて…。
――至さん……私、至さんのこと…。
至「大丈夫？」
A「っ…すみま、せ…」
…ティボルトの演技を見た瞬間、心が震えた。
―――頭に流れ込んできた、記憶。
(…至さん…私、どうして……)
涙が、止まらない。
どうして、忘れられたんだろう。
こんなに大好きだった人のことを…。
何度涙を拭いても、どんどん零れ落ちてきて。
A「っ…ごめ、なさ…私…っ」
至「…いいよ、そのままで」
――至さんが、そっと私を抱き寄せた。
至「落ち着いたら教えて」
そのまま、ゆっくり私の頭を撫でてくれた。
A「っ…至、さ…」
至「オレはここにいるから」
そう言って、少しキツく抱き締められる。
(至さん……)
ずっと、ずっと好きだった。
……でも、私は…。
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Mina(プロフ) - 姫林檎さん» ひめりんごさん！嬉しいお言葉ありがとうございます！( .. ) 亀更新ですみません…(泣) これからもがんばります(^^♪ (2017年10月28日 9時) (
レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎 - Mina様初めましてひめりんごと申します。毎度毎度更新させれるのを楽しみにしていますヾ(●´∇｀●)これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 1時) (レス) id: 30815a9d4d (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - pineさん» すみません！外しておきますね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
pine(プロフ) - オリフラ外してくださいね (2017年9月7日 6時) (レス) id: 3bc5a1844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年9月7日 1時
