90. 過去形 ページ37
…二人で、呆然と立ち尽くす。
至「…知り合いだったんだ、祐也と」
A「びっくりしました。祐也にぃのこと、覚えてなかったから…」
至「…記憶、無くしてたんだったね」
A「はい…」
――ふいに、手を握られる。
びっくりして至さんを見ると、不安げな目をしていた。
A「……至さん？」
至「…祐也のこと、好き？」
A「えっ？」
至「……ごめん、何でもない」
…手が、離れた。
(…至さん……)
確かに、私にとって祐也にぃは特別な人で、今でも好き。
それはずっと変わらない。
でも―――。
A「…至さん」
至「……ん」
そっと至さんの手を握る。
今度は、至さんがびっくりした。
そんな至さんの目を覗き込んで、ニコッと笑ってみせる。
A「私が今好きなのは至さんです。絶対離れたりしません」
至「…A……」
ぎゅーっと手を握る力を強める。
それに応えるように、至さんも力を込めた。
至「…ありがとう、A」
A「至さんこそ、綺麗な女の人いてもどこか行ったりしないでくださいね？」
至「へーき。今はAのことしか見てないから」
そう言って、二人で笑いあった。
――先にAを家に下ろして、祐也の家に向かった。
祐也「A、綺麗になってたな」
至「ホントに初恋だったの？」
祐也「何だ、信じてないのか？」
至「5つ下だし、祐也からしたら妹みたいな感じじゃない？」
祐也「昔はな。ま、気づいたらってヤツだ」
飄々と語る祐也。
至「…今も好きとか言ったら許さないけど」
祐也「そう言いたいところだけど、今のところ、その予定は無いな」
祐也がそっと目を伏せる。
(…いつか、祐也がAを好きになる日が来ても、オレは…)
至「オレ、負けないからね」
祐也「どうだろうな？オレ、プロポーズされたことあるからなー、Aに」
至「何その話kwsk」
祐也「ま、テキトーに受け流して断ったけどな」
祐也「…あの時は、ああするしかなかったんだ」
――その祐也の小さな一言は、オレの耳にしっかり届いていた。
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Mina(プロフ) - 姫林檎さん» ひめりんごさん！嬉しいお言葉ありがとうございます！( .. ) 亀更新ですみません…(泣) これからもがんばります(^^♪ (2017年10月28日 9時) (
レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
姫林檎 - Mina様初めましてひめりんごと申します。毎度毎度更新させれるのを楽しみにしていますヾ(●´∇｀●)これからも頑張ってください！ (2017年10月28日 1時) (レス) id: 30815a9d4d (このIDを非表示/違反報告)
Mina(プロフ) - pineさん» すみません！外しておきますね。ご指摘ありがとうございます！ (2017年9月7日 17時) (レス) id: da5037e298 (このIDを非表示/違反報告)
pine(プロフ) - オリフラ外してくださいね (2017年9月7日 6時) (レス) id: 3bc5a1844b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Mina | 作成日時：2017年9月7日 1時
