人たらしの伝説歌い手

２０　兄貴 ページ23

名無しside



no titleの反響は様々だった。



俺と他人との絡みを初めて見て驚いていた人。

無題から好きだと言って喜んでくれた人。

そして___



カバーしてもいいだろうかという、数名の歌い手様。



最初はそらるさんだったな。確か。

まふくんと並ぶ俺の憧れからDMが来たときは軽く飛んだ。

それからぽいぽいと立て続けに連絡が。



ほんと意味わかんないよね。

俺こんな有名人だったの？世紀の大発見じゃん？



ほんでカバーしてもらった曲聞きにいったの。



自分で曲作っといてなんだけど、マジ最高。

何がいいって歌い手様のお声が素敵。

正座で曲聞き終わってたときの気分はもうガチオタ。



そんな訳で(どんな訳で)今どこに来てるかと言いますと。



はい。兄貴の家です。



俺の実家は田舎の方で、高校卒業のときに上京した俺は、既に始めていたバイトの貯金で一人暮らしを始めた。

そのすぐ後に兄貴も実家を出たみたいで、それから会ってなかった。



伝えられた部屋番号を入れてチャイムを２度押すと、はーいという高めの声が聞こえる。



『俺。開けて』



「あ、いらっしゃーい。ちょっと待ってね」



インターホン越しの会話を終えて、少し待つ。



「っいしょ。久しぶりだね」



ふわっふわな髪と、恐らく女性サイズのマスクで出てきた、俺の兄貴___伊吹。



＿＿＿＿＿＿
名無しくんの兄貴登場。伊吹くんです。
リア友案くれてありがとねええええ。
男主くんのたらし&ハイスペックぶりは兄貴譲りだったり。
このお兄ちゃん。重要人物になる、かも･･･？

２１　伊吹→←作者乱入

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