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樹「俺こっちの教室だから。」
じゃ、と言うと彼は何事もなかったように教室に入る。
……今は、ただ乗り切るしかない。
そして大我には改めて伝えよう。
そう思って、私の教室の扉を開ける。
ガラガラ
『……えっ、』
私は扉を開けて、立ち尽くしてしまった。
教壇に立っていたのは、
大我「もうすぐ授業始めるから教科書準備しておけよー」
今1番会いたくない人だった。
今日の担当が大我だなんて知らなかった。
彼はドア付近で立ち尽くす私の存在に気づいたにも関わらず、何も言わずにすぐに目線を逸らす。
……そりゃそうだよね。
あんなことがあった後に、普通に接してくれるわけない。
もしかしたら、いつもみたいに心配してくれるのかもしれない、そう少しだけ期待をしてしまった自分があほらしくなった。
10人くらいいるクラスの中で唯一空いていた1番後ろの席に座る。
なんだかんだ、大我の個別授業は受けてるけど、集団授業は初めてだった。
キーンコーンカーンコーン
2日目の授業が始まる。
大我「よしっ、じゃ今日は、過去完了のおさらいするから〜、23ページの…」
授業が全然耳に入ってこなくて、私はじっと大我を見つめていた。
もう1回、ちゃんと話したい。
謝りたい。
大我「〜〜ってこと。だから、ここの答えを誰かに言ってもらおうかな……」
すると、大我とばちっと目が合う。
大我「………柳田さん。」
柳田さん「はいっ、 ここに時制を表すhad been 〜……。」
私ではなく、私の隣の女の子が当てられて、答える。
やっぱり、避けられてる。
そのこと自体、私にとってはかなり辛かった。
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りこ - すごい面白いです!また交換していただけると嬉しいです (2020年4月27日 9時) (レス) id: 4d62ada711 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2019年9月7日 0時) (レス) id: dc867d738f (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん。 - とても、面白いです。更新待ってます。 (2019年8月4日 8時) (レス) id: 94770c9e14 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん。(プロフ) - annintamtamさん» コメントありがとうございます!今後も楽しんでいただけるように頑張ります!!! (2019年7月20日 11時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん。(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます!大好きだなんて、嬉しくてにやにやしちゃいますっ笑 頑張りますので応援よろしくお願いします♪ (2019年7月20日 11時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつみかん00 | 作成日時:2019年7月6日 19時