75 大我side ページ26
.
「田中くーーん!起きてるの?田中くん!!」
女の先生が大声を出したその瞬間、俺はAの部屋から聞きたくもない声を聞いてしまった。
樹「……ん…、はぃ、今おきました、…」
……は?
俺は何も考えられなくなって、思考停止する。
なんでAの部屋から樹の声が聞こえんの?
俺はAがドアを小さく開いていたのを力ずくで無理矢理開けて、中にいる樹を探す。
案の定、そこにはAのベットの横に布団にくるまっている寝起きの樹がいた。
……どういうことだよ。
俺は頭の中で考えても、嫌なことばかりが頭の中をループする。
女の先生は、樹を見つけるとすぐに何か怪しいことをしているんじゃないかと疑うけど、樹はそれを否定した。
樹「…いやっ、それは違くて」
大我「…違うも何も、なくない?」
男女がひとつの部屋で一緒に寝て、何も無いはずがない。
俺はもう、どうにでもなってしまえばいいと思っていた。
Aの目を見て、俺は問いかける。
大我「…そういうことでしょ?」
すると、Aは焦ったように
『……っ、ちがっ、』
……違う。
そのたった2文字をしっかり、言ってくれない。
少しは期待してた、本当に違うんだよって、誤解だよって、言って欲しかった。
でも君は、もう、そんなことも言ってくれないんだね。
そう思うと、なぜか目頭が熱くなると共に、呆然とする。
Aのことを大好きで愛してるのは俺だけだったのかな。
Aは、俺の事を軽く見てたのかな。
そう思うと、全てがどうでもよくなって、俺はその場を足早に立ち去った。
.
316人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りこ - すごい面白いです!また交換していただけると嬉しいです (2020年4月27日 9時) (レス) id: 4d62ada711 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - 更新楽しみにしてます!! (2019年9月7日 0時) (レス) id: dc867d738f (このIDを非表示/違反報告)
みーちゃん。 - とても、面白いです。更新待ってます。 (2019年8月4日 8時) (レス) id: 94770c9e14 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん。(プロフ) - annintamtamさん» コメントありがとうございます!今後も楽しんでいただけるように頑張ります!!! (2019年7月20日 11時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん。(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます!大好きだなんて、嬉しくてにやにやしちゃいますっ笑 頑張りますので応援よろしくお願いします♪ (2019年7月20日 11時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なつみかん00 | 作成日時:2019年7月6日 19時