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そう言うと花火を見つめて彼は話を続ける。






樹「いきなり学食で北斗が、A知り合い見つけたらしい、とか言うから、遠慮したわ。で、そっちは?知り合いいたんじゃないの?」







『あー…いたんだけど、さっき迷子になって離れ離れになったんだ 笑』






私はそう言って苦笑いすると、樹はポケットから絆創膏を取り出して、私の傷口の膝に付けてくれる。






『あっ、ありがとう』







樹が絆創膏をいつもポケットに入れてる癖は昔からで、私が小さい頃からよく転ぶから常に持ってくれてる。







樹「覚えてる?昔2人で見に来たの」






『うん』






昔、樹と付き合ってた頃に2人で遠くの花火を見に行ったことがある。






浴衣を着て、履きなれない草履で歩くのが辛くて、最終的に樹がおんぶをしてくれて。






結局、地元の最寄り駅でクラスメイトと遭遇して冷やかされたことがある。







『たくさんの人に冷やかされたよね 笑』







樹「俺次の日学校でも噂になってて超恥ずかしかったからな」






そういう彼は今でも思い出して照れ笑いをしていた。







2人でその思い出に浸っていると、私の携帯が鳴る。









ブーブーブーブー






着信相手を見ると、大我だった。







樹「迷子の相手じゃない? 笑」






笑いながら言う樹に頷きながら、電話に出る。








『もしもし』








大我「あっAっ、ごめんねさっき。今どこにいるの?」







受話器から息を切らした大我の声が聞こえる。






きっと私を探してくれていたのだろう。








『あっ…えっと…ここは、どこだ…』







そう言うと、樹が、丘の上の駐車場と呟く。







『あっ、丘の上の、駐車場にいる』







大我「ん?…今声聞こえたんだけど、誰かといるの?」







『…あ、そうなの、たまたま友達に偶然会って…今大我どこいるの?そっちまで行く!』







すると、大我の居場所を教えてくれる。







樹と鉢合わせしたらまずいと思った私はその場所まで行くって伝えて、電話を切る。









樹「そこまで送ってくよ。俺暇だし」







『いや、いいよ!少し遠いし。樹ほんとありがとうね』







樹「ううん、最初は死んだ人かと思って焦ったけど、A元気になってよかった」







私が今こうやって笑えるのは樹のおかげでもある。

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なつみかん。(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!文章を褒めてくださるの初めてで凄く嬉しいです。もっと更新できるように頑張ります! (2019年6月21日 0時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 文章が綺麗でとても好きです。更新楽しみにしています...! (2019年6月20日 15時) (レス) id: 7242c34cf9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なつみかん00 | 作成日時:2019年6月18日 0時

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