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家に帰ると、私のスマホがぶるるると鳴る。
携帯を開くと、珍しく北斗からLINEが来ていた。
………え。
その内容を見て、私は一瞬固まった。
.
【北斗:A、彼氏できたの?】
……もしかして、大我といるところを見られた?
私は急いで北斗に返信をする。
【A:急に、何で?】
【北斗:さっきAと知らない男が自転車乗ってんの見た】
私の予想は的中していた。
見られていたのだ。
よりによって、北斗に見られるとは…。
翌日、樹と朝登校して、教室に着くと、ハナと北斗はすでに教室にいた。
樹「よっ!」
ハナ「おはよ〜」
北斗「おう、」
北斗と目が合うと、かしこまった表情をする。
『ねえ、北斗、今いい?』
北斗は分かりきっていたように、私の目を見て、教室から出ていく。
必死になってついて行く。
屋上に繋がる階段について、誰もいないかキョロキョロ確認してから私は話し出す。
『あの、昨日のことなんだけどさ、お願いだから、誰にも言わないでほしい……』
北斗「樹たちは知ってんの?」
『言ってない』
北斗「まあ、俺からは何も言わないけどさ……」
『……どこで見てたの?』
塾の前で見られてたら、さすがに先生ってことがバレてしまう。
北斗「コンビニのところ」
『あっ、そうなんだ』
よかった、塾の前じゃなかった。
北斗「いつから付き合ってたの?」
『9ヶ月前くらい』
北斗「え、そんな長いんだ。」
北斗は驚くように私を見る。
北斗「俺は誰にも言わないし、A達のことは聞かないけど、いつかは周りに気づかれる時が来ると思うよ。だから、その時のために何かしら考えておいた方がいいと思う」
『えっ……』
すると彼はにこって笑う。
北斗「友達の秘密を守るのが親友だからね」
『……、ありがとうっ、』
北斗はそういうの、人に言いふらすタイプじゃないのは知っている。
でも、やっぱり世間の目を恐れていた。
もしかしたら、北斗は私たちの関係を薄々気付いているのかもしれない。
でもそれを言わないでいてくれるのも、彼なりの優しさなんだと思う。
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なつみかん。(プロフ) - ひまわりさん» コメントありがとうございます!文章を褒めてくださるの初めてで凄く嬉しいです。もっと更新できるように頑張ります! (2019年6月21日 0時) (レス) id: c0f86098d8 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 文章が綺麗でとても好きです。更新楽しみにしています...! (2019年6月20日 15時) (レス) id: 7242c34cf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつみかん00 | 作成日時:2019年6月18日 0時