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山田side
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「大ちゃんたち、あの放送どう思う?」
「…最低、って一言だわ。ありえないだろ?誰なのかもよくわからないのに、イタズラかもしれねぇ。ボスとか言ってたけど、俺は正直この状況を飲み込めてない。」
雄也の豪邸に行くための道を歩く。
歩きながら大ちゃんに問いかけると、大ちゃんは眉間にしわを寄せていた。
よく飲み込めてない、のは、俺だって同じだ。全然分からないのに、こんなことになるなんて思ってもないんだし。
「なんでそのボスが僕らを狙っているのか、…アイツはそこだけ言ってなかったよね。」
やっぱ何か企んでたりしてんのかな、と知念が溜息をつきながら考えていた。
俺らを狙っている、確かに知念の通りそこだけの情報は何も言ってなかった。
俺らを狙うことで、より3校を潰せる情報がアイツに手に入るというのか。
…だとしたら時間での勝負。
時間を少しでも無駄にすれば俺らの学園、他の2校も呆気なく潰されてしまうことだろう。
そんなことを考えていると、もう目の前には雄也の豪邸が見えた。
これから話す、あの今日あった放送のこと話すんだ。
そう心の中で思って、俺はピンポーンという軽やかな音がするボタンを押した。
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「あっ薮くん、山田達。」
「分かった。…涼介、今日の町内放送…」
「聞いたよ。俺ら9人狙ってるって。」
「…一旦雄也と涼介は席に着くとして…俺は前で話す。」
座れ、という薮くんの合図に俺と雄也は頷いた。
席に着くと、薮くんは今日の町内放送のことを話し出した。皆は頷いたり、中には怖がってたやつもいた。
「このままだと潰れるぞ。」
薮くんの言葉に皆俯いた。
俺だってこんなこと言いたくない、と薮くんは小声になりながら俯いた。
すると薮くんは顔を勢いよくあげた。
「お前ら、…今週の日曜、空いてるか。」
「…え?」
どういうこと?と言う顔をほとんどの人がする。
「今週の日曜、武器のために一日中やろうと思ってる。…ちゃんと休憩も取って。」
薮くんの提案に全員が黙ってしまった。すると誰かがそれもそうだな、と前向きな声で言った。
俺はその声を上げた方向を見た。
「光くん…」
「武器やった方がこっちもこっちで有利だろ?いつ戦うかはよくわかんねぇけど、俺らもやるんだ。」
な?と確かめるように全員を見渡した光くん。
皆は頷いて、今週の日曜、武器のために訓練をすることに決めた。
話は進んで、いつの間にか帰る時間になった。
帰ろうとすると、誰かに後ろから呼び止められた。
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デカリュク(プロフ) - 山田「ねぇ待って、高校生が武器持っちゃダメじゃない?」 薮「まぁ、小説の中の話だから」 山田「えぇ…」 (2021年7月24日 21時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» 互いに頑張っていきましょうね…!!私もmiomiyuさんの作品見て元気貰ったりします…!!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» これからも週に何回ぐらいの頻度かもですが、よろしくお願いします。いきなりでもとても嬉しかったですよ。miomiyuさんの言葉に何かから救われた気がしました。本当にありがとうございます…!! (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
miomiyu(プロフ) - デカリュクさん» 良かったです笑デカリュクさんの作品見て私も作品作り頑張ります!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 653723af42 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» miomiyuさん…、ありがとうございます…。なんかコメント見て泣きそうでした…笑 全然綺麗事じゃないですよ。むしろ私にとっての大切なありがたい言葉です。本当に励ましの言葉です。沢山の褒め言葉ありがとうございます…元気出ました。伝えたい事が伝わってきました。 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:デカリュク | 作成日時:2021年4月20日 19時