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山田side
帰ろうと伊野尾ちゃんに合図され、俺はカバンを肩から下げた状態でいつもの部屋に戻ってきた。
俺が戻る頃には圭人、知念、大ちゃんが話しながら待っていた。
俺が来たのが分かった知念は小さく手を振ってきた。その行動に圭人と大ちゃんも俺の存在に気づく。
俺も話しながら待っていると裕翔が走っていつもの部屋に入ってきた。
「あーよかった、やままだ帰ってなかったんだね」
「当たり前でしょ、そっちが待っててって言ったんだから」
そっか、と裕翔が笑っていると、後ろからぞろぞろと戻ってきた。
「皆荷物持った?」
「皆ちゃんと持ってたよー!!」
光くんが皆に聞いた。そしてそれに裕翔が答えた。
みんなもその後に続いて持ったと認識させるように鞄を上にあげたりする。
光くんも皆が持っていることを確認して頷いていた。
「あれ、確か裕翔戻ってきたのってまだ俺とか薮くんとかが着衣室にいた間だよね?なんで全員持ってきたって分かんの?」
雄也が裕翔に不思議そうに聞く。
でも確かに伊野尾ちゃんが帰ろうと合図して、俺と圭人とか、まだ4人くらいしかいつもの部屋に戻ってきたあとに裕翔がきた。
まだ着衣室にいたのになんで知ってるんだろう。
「え、なんでって、もう皆荷物持つみたいな感じだったし、それでかな?」
「まぁ皆全員持ってきたかあやふやだったし、記憶覚えのいい裕翔が言うんだから、もう皆持ってるでしょ。」
「まぁ明後日ぐらいには忘れちゃうけど」
圭人が言うと裕翔は苦笑いしながら言った。俺は小学生の時からその情報は知っていたからあまり驚きはしなかったけど、周りはそうなんだ、やらふーん、やら聞こえてくる。
すると伊野尾ちゃんが遅れて部屋に入ってきた。
「あれ、伊野尾ちゃんどこ行ってたの?」
「え?あー…ほら、資料ちゃんと保管しないとって思って…機密情報だし…」
「そっか、大事だもんね」
「そう、大事なものだし…よし、皆出よっか。」
走ったのか息を切らしながらも話した伊野尾ちゃん。
少し言葉の繋ぎ方がおかしいと思ったけど走ってきたのかもしれないし、と考える。
伊野尾ちゃんが皆にまた帰るように促し、皆はゆっくりと外に出た。
「じゃあな山田」
「うん、またね。」
大ちゃんと知念と途中の道に分かれ、また裕翔と2人で家まで歩く。
今日は色々あったな、と感じながら夕陽に染まる空を見上げる。
「本当、高校生に武器持たせるとか学校側もすごいよね」
「分かる…家族に言っちゃいけないしね…」
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デカリュク(プロフ) - 山田「ねぇ待って、高校生が武器持っちゃダメじゃない?」 薮「まぁ、小説の中の話だから」 山田「えぇ…」 (2021年7月24日 21時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» 互いに頑張っていきましょうね…!!私もmiomiyuさんの作品見て元気貰ったりします…!!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» これからも週に何回ぐらいの頻度かもですが、よろしくお願いします。いきなりでもとても嬉しかったですよ。miomiyuさんの言葉に何かから救われた気がしました。本当にありがとうございます…!! (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
miomiyu(プロフ) - デカリュクさん» 良かったです笑デカリュクさんの作品見て私も作品作り頑張ります!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 653723af42 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» miomiyuさん…、ありがとうございます…。なんかコメント見て泣きそうでした…笑 全然綺麗事じゃないですよ。むしろ私にとっての大切なありがたい言葉です。本当に励ましの言葉です。沢山の褒め言葉ありがとうございます…元気出ました。伝えたい事が伝わってきました。 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:デカリュク | 作成日時:2021年4月20日 19時