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山田side
「知念、武器直して」
「…早くない?」
学校、昼休み。
俺がそう呟くと知念は呆れた顔でこっちを見てきた。
まだ試し打ちもできてないじゃん、という知念の言葉に俺はそうだけど…と拗ねた口で言う。
確かに試してもないし、実際どんな衝撃が来るかもよく分かってない。
正直言ってどういう衝撃が来てしまうのか、少し怖くなる。
「“使い方を誤るとその剣の衝撃が自分自身に襲ってくる”…ね。」
薮くんに言われたことを思い出した。
まず使い方を誤ると言われても、どこのラインで誤るのかも分かってない。
「大貴が今日雄也の所に行くんだって。僕いのちゃんと話し合いするんけど、りょうすけも行く?試さないと僕りょうすけの直せないよ」
そう言われたものだから、じゃあ俺も、と知念に言う。
知念は分かった、とスマホでメール画面を開いた。
大ちゃんにメールでもするのかな、と考えて俺もスマホを開き、ニュース記事を見た。
「え…?」
「りょうすけ?」
俺の驚いた低すぎる声に知念が反応した。俺はすぐに知念に記事を見せた。
見せると知念は顔をスマホに近づけた。
「…えっ?!」
知念も驚きの声を出して俺の顔を見た。記事と俺を交互に見てまた今度は疑うような低い声が知念の口から出てきた。
そう、記事の見出しに書いてあったのは。
『噂の悪党5人、自ら自首したか、午後に逮捕。』
誰もが思いもしないこの記事。
俺らの出番は無くなるってことでいいのか…、これからは、じゃあどうしていけばいいんだ…?
頭の中はそればかりが巡ってまた悩む形になってしまった。
知念もこうなるとはさすがに思っていなかったから唖然としていた。
「ねぇ、りょうすけ…これは、僕らは無事ってことで大丈夫…なの?」
どうだろう。その言葉を出す前に走ってくる足音が聞こえてきた。俺と知念は同じ方向に顔を上げて走ってくる足音の方を見た。
「山田っ、知念!」
息切れしてる大ちゃん。
俺と知念は立ち上がって大ちゃんの方に向かった。この感じだと、紛れもなく大ちゃんは知ってるのだろう。
「この記事見たか!?」
スマホを出されるけど、やっぱりさっき俺らが見ていた記事。
さっき見てた、と答えると大ちゃんはそうか、と息を整えながら言った。すると。
ピーンポーンパーンポーン…
外から町内放送が流れ出した。俺ら3人は顔を上げる。
おかしい。この時間帯には町内放送なんて今まで流れていなかったというのに。
考えていると、とても低い声で咳をした声が流れた。
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デカリュク(プロフ) - 山田「ねぇ待って、高校生が武器持っちゃダメじゃない?」 薮「まぁ、小説の中の話だから」 山田「えぇ…」 (2021年7月24日 21時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» 互いに頑張っていきましょうね…!!私もmiomiyuさんの作品見て元気貰ったりします…!!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» これからも週に何回ぐらいの頻度かもですが、よろしくお願いします。いきなりでもとても嬉しかったですよ。miomiyuさんの言葉に何かから救われた気がしました。本当にありがとうございます…!! (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
miomiyu(プロフ) - デカリュクさん» 良かったです笑デカリュクさんの作品見て私も作品作り頑張ります!笑 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 653723af42 (このIDを非表示/違反報告)
デカリュク(プロフ) - miomiyuさん» miomiyuさん…、ありがとうございます…。なんかコメント見て泣きそうでした…笑 全然綺麗事じゃないですよ。むしろ私にとっての大切なありがたい言葉です。本当に励ましの言葉です。沢山の褒め言葉ありがとうございます…元気出ました。伝えたい事が伝わってきました。 (2021年6月6日 2時) (レス) id: 97e8ebb4a5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:デカリュク | 作成日時:2021年4月20日 19時