冬の日 (ページ2)

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大橋side

『和也！』

｢じ、丈くん？何でここに？｣

『お前が遅すぎるから迎えに来たんや。ちょっと買い物行ってくるーって言ってもう3時間やで？どんだけ時間かかっとんねん』

｢ご、ごめんごめん！｣

『はぁ、なんかあったんかと思った…。』

｢うぅ…ごめんなさい｣

『ほら、帰んで。』

｢う、うん。｣

丈くんが歩き出して僕も一緒に歩き出す。
そっか。丈くん、心配して来てくれたんや…

それに、今『和也』って呼んでくれた。

あれだけ名前呼び嫌がってたのに…無意識で呼んでたんかな？

『…なぁ、こんな時間まで何を買いに行ってたん？』

丈くんにそう聞かれて僕は静かにマフラーを差し出した。

『これ、俺に？』

そう聞かれて、こくんと頷く。どうしよ、勢いで渡してしまった。もっとオシャレに渡そうと思ってたのに。
その場に丈くんが袋を開ける音だけが響く。ドキドキしながら丈くんの次の言葉を待っている。

『なぁ、大橋。』

｢ん…｣

顔を上げるとそこには僕があげたマフラーを首に巻いてそっぽを向いてる丈くんの姿。

『大橋、帰るで』

照れ隠しにそっぽを向く丈くんがもうかっこよくて好きで好きでたまらなくて…僕は気付いたら丈くんに思いっきり抱きついてた。『ちょ、おい大橋！』っていう丈くんの声も無視してぎゅーっと抱きしめた。もう丈くんってなんでそんなに僕を惚れさせるん？

すると丈くんは僕をひっぺはがして、

『なんで急に抱きつくん？！ほらもう帰るで！』

｢丈くん、なんでマフラーで顔隠してるの？｣

『別に意味は無いけど…さ、寒いからや！寒いから！』

怪しい。急に顔隠すなんて。そう思った僕はマフラーを取り上げた！

『ちょ、なんでマフラー取るん？！』

｢あー！やっぱり丈くん顔真っ赤やん！｣

『ちょ、うるさいうるさい！てかマフラー返せや！』

｢ふら！丈くん、照れてるー！｣

『あーもう、お前が急に抱きつくからやろ！』

2人でやいやい騒ぎながらみんなが待ってる家に帰る。

｢丈くん、ほら早く帰るで！｣

『分かったからマフラー買えせって！』

～end～