タクシー ページ8
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安く済むからってひかるさんと同じタクシーに乗り込む。
どうやら、家の方向は同じようで。
無駄にお金かけないで済む、という事実が少し私を安心させた。
「、、Aちゃんってさ、物欲ない人?」
突然そう言われて、訳もわからず。
「言われてみると、あまりないかもしれないです」
正直に答えると、そっか〜なんて返事。
なんなんだ? と思いながらも夜の公道の風景を眺める。
携帯触るのはひかるさんに失礼な気がするし。
悩んだ結果、外を見るという行動に落ち着いた。
静かな車内、先に着いたのはひかるさんの家。
でも、ひかるさんは降りようとしなくて。
「Aちゃんの家まで送る」
って、その一点張り。
運転手さんも困っていて。
私もこの辺なら家の近所だし、拉致があかないしと思い、恐る恐る声を出す。
「私、家がこの近くなので、一緒に降ります」
「何言ってるの! それこそダメだよ?」
Aちゃん女の子なんだから、わかってる? なんてお説教。
「じゃあ、ひかるさん、、一緒に歩いてくれませんか?」
このお願いの方がまだ他人まで迷惑かけないしと思って提案する。
それなら、って一緒にタクシーを降りてくれて。
夜道を2人で並んで歩いた。
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snowmanの姫 - いいお話ですね。続きが楽しみです。 (2020年8月3日 6時) (レス) id: ed717fdd1f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:naa | 作成日時:2020年6月5日 11時