黄色い世界 (ページ6)

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自己紹介ページ6

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じゃあ！なんて明るく話してくれる左の人。

「自己紹介しとこう」

たしかに。名前知らないで友達じゃないかなんて考えて、小さく頷く。

「俺は、ひかるっていうんだ。27歳で仕事はまあ特殊な感じだからまた今度教えられるか確認して言うね」

私の不安を取り除くように、ゆっくりはっきり、そして笑顔で伝えてくれるひかるさん。

「小嶋Aです。21歳で大学4年生になります。お仕事は、お寿司屋さんでアルバイトしてます。あれ、お仕事の定義にそぐわないかな、、」

不安を抱えながらもひかるさんに伝える。

「Aちゃん、大学行ってるのか。俺行ってないんだよね」

高卒の男なんて、ダサいよねなんて苦笑いする彼。

「そんなこと、無いと思います。学歴より人にはたくさん大切なものがあると思うから」

そうなのかな、なんて考えてるひかるさん。

何故か、どうしてもひかるさんには難聴について伝えなきゃいけない気がして。

勇気を出して呼びかける。

「あのっ、、ひかるさ、、ん」

ぎこちなく呼んだひかるさんの名前。

「ん？どうした？」

笑って、目を細めて首を傾げるひかるさん。

「言わなきゃいけないことがあって、、！」

そういう私の緊迫さが伝わったのか、座り直して向き合ってくれたひかるさん。

「ある程度までは待てるから、ゆっくり話しな」

そう言われて少し安心して、なにから話そう、なんて考えて口を開く。

「私、あの、片耳が聴こえない病気で、、突発性難聴って言うんですけど」

「左耳が聴こえなくて、何か言ってくれてたのに無視してたらダメだと思って、伝えなきゃって、思って」

「わざとじゃないんです、ごめんなさい」

そういえば、険しい顔をするひかるさん。

「大丈夫だよ。けど、1個だけ聞いていい？」

「聞こえなくなったのと元カレは関係あるの？」

鋭い質問に言葉が詰まる。

「、、っ。そ、れは、、」

「俺はAちゃんを助けたい。だから知りたい」

真っ直ぐな目で見られて。

助けてくれる人はいないなんて思ってたけど、もしかしたらひかるさんならなんて考えちゃって。

今日何粒目かわからない涙を流しながら頷く私がいた。