黄色い世界 (ページ14)

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いらっしゃいませ、2名様です！

そんな声にいちいち反応してしまって。

「いつもならホールなのになあ」

そんな不満が溢れてきてしまう。

「ここじゃない？あっ！ Aちゃんいた！」

目の前の新たなお客さんからそんな声が聞こえて、顔を上げる。

「あっ！ひかるさん！」

いらっしゃいませ！

きてくれたことが嬉しくて、少し笑みがこぼれちゃうけどそんなの気にせずに。

「飲み物、何にしますか？」

そこまで言って、やっと気づくお連れ様。

ひかるくんよりは少し小さくて、目つきは柔らかくて。

でもどこか私を見定めてる、そんな視線。

「はじめまして。小嶋Aです。本日は位置的にも担当することが多いかと思いますが、お願いいたします」

戸惑いながらも自己紹介をしてみる。

「あ、俺は、わた、、いや、翔太です」

そう自己紹介を返してくれた。

案外、いい人なのかもしれない。

なんて言ったって、ひかるさんのお友達だし、きっといい人だよね。

そう思い直して、仕事に戻った。