星の行方 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:3 hit、合計:295 hit

・epi04・ページ4

「実は、今回のお相手になる男性が少しばかり特殊な職業の方でして」

出会い目的のような方だと流石にこちらとしても、なんて言葉を濁す橘さん。

多分、私が出るって承諾してないからそれ以上は教えられないんだと思う。たぶん。

「特殊な、、ですか」

はい、と言った橘さんはさらに続ける。

「小嶋さんは塾講師をされているとのことですので、守秘義務などに関しては普通の方よりも長けているのではと思いまして」

まあ、確かに生徒情報とか学校情報とかたくさん秘密はあるから、それらを漏らさないように最新の注意はいつでもしてるけど。

「それだけではないんですが、全てを言うと面白さが失われるのであとひとつだけ挙げますと、空気ですかね」

似てそうなんです、と言われて。

「私とお相手になる方の空気感が似ているということですか」

波長が合うんじゃないかなと思いまして、なんて言われると悪い気はしない。

「お返事はすぐでなくても大丈夫です。ただ、一応今週のうちにお返事していただけると色々と助かるんですが」

そう言って、この番号にかけていただければ僕が出るので、と言う言葉を残して電話は切れた。

「恋愛発展、ね」

正直出てみたいかな。

「アンチとか怖いし、可愛くもないしスタイルも良くないんだけど大丈夫かな」

ちょっとどころじゃなく怖いけど、とりあえず気持ち的には面白そうだし出演してみたいと思った。

途中リタイアもできるって言ってたし？

「職場にそういうの出ていいのか聞いてみよ」

とりあえず、確認だけ。
確認だけしてみることにした。